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35 赤面 ページ35

霞がかったようなぼんやりとした視界を晴らすべく、瞬きを繰り返す。

すると、上から見知った顔に覗き込まれている事に気がついてハッとする。金髪に琥珀の瞳…



「Aちゃん!あ〜良かったぁ…」


「ぜぜぜ善逸っ!?あ、え、あ…えっと」



ふりゃりと緩んだ笑顔に、また心臓がドクンと跳ねる。

見られた?こんな無防備で不細工な寝顔を…善逸に?見られたの!?

そう思ったら恥ずかしくて堪らなくなって、赤くなっているであろう顔を隠すために布団を思いっ切り被った。



「Aちゃん!?え!なに?!俺傷つくよ!?」


「ごめんほんとにちょっと待って!絶対酷い顔してるから!」


「いやそんなことないよ?!それよりあのっ、だ、大丈夫なの!?」


「大丈夫!!そっとしといて!すぐそっちに遊びに行くから!」


「わっ、分かりました!(?)」



善逸が困惑した様子で部屋を出て行ったことを確認して、ゆっくりと布団から顔を出す。

今何時だろう?日の向きから言ってまだ朝か。

機能回復訓練は…まだ始まるちょっと前とかかな。早く行かなきゃ。

そう思ってベッドから降り、はたと立ち止まる。


昨日、私どうやってここまで来たっけ?

黄昏時に冨岡さんが訪ねて来て、確か…



「あぁああーーーっ!!」


「「「ひッ…」」」


「ん?」



そういえば大変な状況になっていた事を思い出して思わず叫んだら、部屋の外から3人の声。

扉を開けて正面にしゃがみ込んだ。



「ご、ごめんね。3人ともどうかした?」


「い、いえ、お薬を…」


「ぅげ……はーい…」



なほちゃんから薬湯の入った湯呑みを受け取って、なるべく味を感じないようにと一気に飲み干す。

……それでもやっぱり苦いけど。

顔を顰めてモゴモゴしていると、きよちゃんから何かを差し出された。



「わぁっ、金平糖!ありがとう!」


「い、いえ。早く復帰出来ると良いですね」


「うん、頑張ります」


「「「頑張ってください!」」」



あどけない笑顔を残して去って行った3人を微笑ましい気持ちで見送って、甘い金平糖をひとつ、口の中に転がした。

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瑠璃烏(プロフ) - 澄葉流さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月27日 11時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 73c9d55ae5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2020年2月26日 16時

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