34 好き ページ34
NOside
「ぜ、善逸!どうした!?何があったんだ!」
「ぅうわぁあ炭治郎ぉお〜〜!!」
「おいうるせぇぞ!」
「頼む善逸!まず落ち着いてくれってばぁ!!」
「行かないでくれよぉおAちゃあ〜〜んっ!!!」
「Aが何だって!?頼む善逸!ほんとに!ちょっと!静かに!!してくれ!!!」
「お静かになさって下さいっ!!!!」
ーーー善逸side
「Aが冨岡さんの継子に…!?」
「うぅ……グスッ…うん…まだ決定なのかは分からないけど…断る理由が無いだろ?」
「アイツそんなに凄ぇ奴なのか?」
首を傾げる伊之助に、静かに頷いて応えた。
「あの子は…耳が良くて、怖がりで、蜘蛛が嫌いで、金平糖が好きで、戦ってる時の記憶がなくて…でも実力は相当なんだ。目の前で見た」
「耳が良くて怖がりで戦ってる時の記憶が無いって…善逸と同じじゃないか」
「っそうなんだ。共通点が多くて、あの子があんまり眩しく隣で笑ってくれるから、忘れてたけど…….あの子は天才なんだよ…」
重い沈黙が、部屋を包み込む。
別に、Aちゃんが柱の継子になることに反対なんじゃない。応援したいし、しなくちゃいけない。でも…
「遠くに行っちゃうのかなぁ…?」
「善逸…それは……」
さっき止まったと思ったのに、またボロボロと涙が零れていく。炭治郎が背中を摩ってくれるけど、涙は止まらない。
Aちゃんが何処かへ行っちゃうかもしれない…もう一緒に任務出来ないのかもしれない……
それがこんなに辛いなんて、今まで気付かなかった。
大事なものは直ぐ近くにあるんだって、誰か有名な人が言ったんだっけ…?
泣いても泣いても、頭に浮かぶのはAちゃんの笑顔と声。優しく顔を拭ってくれた。手を握ってくれた。俺と同じだと言ってくれた。
気付いたら、声に出していた。
「好きなんだ…」
「えっ?」
「好きなんだよ、炭治郎…!あの子が…!引き止めたい…行かないでって言いたいんだよぉ…」
「善逸…!」
「だけどAちゃんは強いんだ…俺とは違う、天才なんだ…引き止めたら駄目なことくらい分かってるんだ…!」
血が滲みそうなほどに握った拳を、涙が濡らす。
ああ、Aちゃんも同じ気持ちでいてくれたなら……引き止めた時、良いよって笑ってくれるのかなぁ…?
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瑠璃烏(プロフ) - 澄葉流さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月27日 11時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 73c9d55ae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2020年2月26日 16時