戦え舞え舞え藤の花 (ページ13)

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藤色の着物に小紫の袴。藤の首飾りは着物の下に仕舞った。そして＂厄除の面＂を着ける。

炭治郎は顔を覆わないように着けているけれど、私は顔を覆うように面を着けた。
………意味は特に無い。

いつも通り、朝餉の支度をして3人で朝餉を食べた。

いつも通りじゃないのは此処からだ。

「おじ様、行ってきます！」

「行ってきます鱗滝さん！錆兎と真菰によろしく！」

笑顔で大きく手を振って、おじ様に背中を向けた。

大丈夫。おじ様は、私が生きて戻ると信じているとそう言った。絶対に死んだりなどするものか。

鳥の声に耳を澄まして、空気を思い切り吸い込んだ。

ーーー

「炭治郎、………死なないでね」

「ああ。Aも」

「うん！」

髪の色と声だけが違う瓜二つの少女2人に説明を受け、「行ってらっしゃいませ」という声と共に全員がバラバラに散っていく。

炭治郎の手をぎゅっと掴んで、するりと離した。

___7日間。

憎い憎い鬼どもを、どれだけ殺しても構わないんだ

ーーー

「久し振りの人間だ…！美味そうだなぁ」

ベロリと舌舐めずりする鬼を目の前にした瞬間、私の意識は途切れた。

「………喰う？お前が？私を？」

鬼などこの世に存在する権利も価値も無い。

お前らごときが私を喰らう？

「笑わせないで」

気付けば足元には鬼の首が1、2、3個。

辺りに散らばる血飛沫と首の無い胴体を見る。

不意に、袴の裾がグイッと引かれた。

「っ触るな！汚い…汚い…汚い、汚い汚い！！鬼ごときが私に触れるなっ！」

最後の抵抗として、私の袴の裾を引いたのだろう。

そんなものはただ汚いだけ。刀を何度も何度も突き刺してから、消滅しかける身体を蹴って踏み出した。

もっともっと沢山の鬼を殺してやろう。

私の母を、姉を、日常を奪った鬼ども。

許しはしない___

絶対に。

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