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鬼殺隊にまだ炎柱様がいるという事を知ると、不思議と活力が湧いてきた。時透さまにもまた会えるかもしれない。


修行も辛くなくなった。

元々そんなに辛くはなかったけれど、もっと頑張ろうという気になれた。


頭を撫でて見送ってくれたおじ様に笑顔を見せて、炭治郎が頑張っているであろうあの岩がある所へ向かう。





そこで目にした光景に、思わず刀を取り落とした。









「…………錆兎?真菰…?」


「A、おはよう!錆兎と真菰を知ってるの?」



炭治郎を無視したのは申し訳なかったけれど、今はそれどころじゃない。







目の前に錆兎と真菰がいる。最終選別に行く2人を見送った時の格好そのままで。


どうして…?

2人は死んだはずじゃ…


そんな考えが浮かんだのは一瞬で、木刀を落として手を広げる錆兎、隣に並ぶ真菰に思い切り抱きついた。



「錆兎っ!真菰!何で…何でいるの…どうしてっ……会いたかった…!」


「……大きくなったな」


「ごめんね、一緒にいてあげられなくて」


「ぅううぅ……ッ!」



少しの間だったけれど、私を沢山可愛がってくれた優しい優しい錆兎と真菰。

今いるこの2人は、生きてはいないのかもしれない。でもそんな事はどうでも良かった。


また会えた___









ーーー









「ッ痛い!錆兎酷い!手加減してよ、女の子の顔に傷つけるなんて男じゃないよ!」


「なっ…そんな事を言ってもこれは修行で…

「もう一回!負けっぱなしは嫌!」


「ははっ、望むところだ…!」



炭治郎は訳が分からない様子だったけれど敢えて説明はせず、私は錆兎と手合わせをし、炭治郎は真菰に指導を受ける日々が続いた。


元々、身体能力は高い方だと思う。あとは耳を使えば、錆兎とも戦える。

大きく振りかぶる時、強い攻撃を弾き出すとき、人は必ず深く息を吸い込む。その音を聞けば強い攻撃は往なせる。


あとは…

父が残した指南書から、『蔓の呼吸』を会得すること。

父は剣士だった。体が弱くて早い内に剣士をやめてしまったそうだけれど、指南書を残してくれた。

何冊もある指南書は、最後の方になるにつれて字が歪んでいく。病の進行を、自分でも悟っていただろう。



「いったぃ!……もうヤダ!勝てない勝てない!!何で!?錆兎!手加減して!」


「修行に手加減も何もあるか。ほら立て、もう一度やるだろ?」


「やるに決まってるでしょうが!」



服に付いた土を払って、刀を構えた。

12 勝負→←10 雲


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瑠璃烏(プロフ) - 澄葉流さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月27日 11時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 73c9d55ae5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2020年2月26日 16時

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