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1 序 ページ1

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私の家は、藤の家紋の家だった。

遠い昔、炎柱様に助けて頂いたそうだ。

それからはずっと鬼殺隊の皆様に奉仕して、私もいずれそうなるのだと思っていた。


でも、そんなものは偶像だった。





『おかあさま!おねえさまぁっ!ッいやぁああっ!!』





外出中だったのだ。

鬼に襲われ、私を抱き抱えていた姉は私を放り投げて。


自分の口から出た叫び声を、今でも覚えている。


形見は3つ。

母からは藤の花の種、
姉からは藤の花の首飾りと耳飾り、
父からは『(かずら)の呼吸』の指南書。


それらをぎゅっと握りしめて叫び続ける私を助けたのは、炎柱様だった。

黄色と赤の燃えるような髪、強気で大きな瞳、泣き崩れる私を背負ってくれた大きな背中。



『ほら泣くな。母と姉の意思を継ぎ、強く生きるんだ。絶対に挫けるな』



まだ3歳にもならない頃の事なのに、あの言葉だけは鮮明に覚えている。


炎柱様は鬼を斬ってそのまま何処かへ行ってしまったけれど、いつの間にか涙は止んでいた。





炎柱に助けられた家の子孫が、再び炎柱に助けられるだなんて…

こんな運命もあるものなのだと、今なら感心する。





私は鬼を許さない。

例えその鬼にどんな過去があろうとも、その鬼がどんな性格であろうとも。





鬼が藤を嫌うように、私も鬼が大嫌いだ。





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瑠璃烏(プロフ) - 澄葉流さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月27日 11時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 73c9d55ae5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2020年2月26日 16時

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