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非日常《光星 花音》 ページ16

【side,kanonn mituhosi】



『ん・・・?』


何故か床に寝そべっていた私は、辺りを見渡しながら起き上がる。

なに、此処。なんだか、お城みたいなところだ。



状況が理解できず頭を捻っていると、後ろから声がした。


「あっ・・・!起きた・・・んですか?」

『え?』



声のする方を向くと、遠慮がちに私を見る、ふわふわした紫の髪の男の子がいた。

まるで女の子のように可愛らしい彼は、気まずそうに言った。



「あの・・・、ヴィルさんに会おうと談話室に来たら、貴方が倒れてて・・・。一応ソファに運んだんですけど・・・」

『ふぅん、そうなの。運んでくれたのは助かった、ありがと』



人にお礼を言ったのは久しぶりかもしれない、なんて考えてると、耳についてるピアスが揺れた。

なんとなくそれを握ってみると、声が聞こえた。



「光星・・・!やっと繋がった」

『は・・・?椿?』



なんで椿が、と思ったけれど、そういえば私たちは連絡をとりあえるんだっけ。



「光星、神様からの伝言で学園長室に集合。道は生徒に訊いて。

集まってないの、お前だけなんだぞ」

『私だけ?それは悪いね。ついつい寝るのが楽しくて』



冗談交じりにそう言ってから通信を切った。昔は彼と冗談も言い合えてたのを、懐かしく思う。



そして私は、男の子に向き直った。



『私、光星 花音。悪いんだけど、私を学園長室に案内してくれない?』

「あっ、はい、分かり・・・ました。僕は、エペル・フェルミエです」

『エペルね、よろしく』



私たちは握手を交わしてから、学園長室へと向かうことにした。

向かう途中、エペルがふと言った。



「・・・そういえば、さっきヴィルサンも女の人をどこかへ案内してたっけ」

『へぇ。どんな子?』



彼から容姿を聞いたところだと、きっと皇 銃という子だろう。



私はその人と話したことがなかったし、これからも話すことはないだろうと高をくくっていた。

のちに“話しやすい相手”になるだなんて知らずに。



『だぶんそのヴィルって人とも、関わることはないだろうね』



私の呟くと、青い宝石のピアスが揺れた。

素《雲摺理人》→←*



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雛瀬 紗良.(プロフ) - 黒百合(クロユリ)さん» 了解しました!ありがとうございます! (2021年6月21日 17時) (レス) id: 6c8464958e (このIDを非表示/違反報告)
黒百合(クロユリ)(プロフ) - 更新しました!学園長室に着いた後の話になっています! (2021年6月20日 4時) (レス) id: bfc1b3da66 (このIDを非表示/違反報告)
黒百合(クロユリ)(プロフ) - 更新します! (2021年6月20日 4時) (レス) id: bfc1b3da66 (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 更新終わりました! (2021年6月17日 22時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 遅くなりすみません…!更新します! (2021年6月17日 22時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛瀬 紗良. x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月14日 19時

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