アイドルと3日目 ページ15
jm side
久しぶりに電源をつけたそのケータイにはありえない量の通知が入ってきた。
事務所、マネヒョン、メンバー、家族。
取り返しのつかないことをした。
でも、僕にはもう限界だったんだ。こうするしか自分の身を守る方法はなかった。
カトクには最も多くの通知を寄越す僕のソウルメイト。
それをタップして通話をかければ3コール目で出た。
th〈ッジミナ?!生きてたの?!今どこ?!迎えに行くから!!!〉
jm「あ……」
テヒョンアの声を聞くと怖くなった。
みんな、僕を責めてるんじゃないか。
僕のせいでコンサートは最悪なものになったし、怒ってるに決まってる。
そう思うと怖くて言葉も出なくなった。
そのとき、フワッと窓から風が入ってAちゃんの匂いが鼻を通る。
あ……そうだ。今、Aちゃんが隣にいる。
ひとりじゃ、無い。
手に力を込めれば応えるようにAちゃんの手もぎゅっと握られる。
jm「ごめ、ん…でも、僕は今ちゃんと安全な場所にいるから。もう少し、もう少しだけ……探さないで。
ちゃんと、戻る。戻りたい。だから、それまで時間をください…」
怖くてケータイを持つ手は震えるけど反対の手を感じると少しだけ落ち着く。
th〈ジミナ…〉
rm〈今の言葉、全員聞いたよ。
待ってるから。だから、お前のタイミングでいい。また、戻ってきて欲しい。〉
jn〈ジミナ、ゆっくり休んでおいで〉
yg〈ま、マネヒョンには上手く伝えておくからよ〉
jk〈ひょん!帰ってきたらご飯行きましょ!〉
jh〈BTSは俺たちが守るからね〉
あぁ、僕はなんていいメンバーを持ったんだ。
そして、どれほどみんなに甘やかしてもらっているのか。
感謝してもしきれない。溢れる気持ちが涙になって零れた。
jm「ありがとう、ございます」
通話をきる。
隣を見ればずっとそばに居てくれたAちゃん。
その姿を見た時に暖かい気持ちがムクムクと現れて僕は思わずその小さな身体を抱きしめた。
jm「ありがとう…」
「…私は、何も…」
jm「ううん。Aちゃんがいてくれたからだよ。」
「…それなら、よかった。」
この匂いが、温もりが、声が。
全部僕の安定剤だ。
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えびてゃん(プロフ) - ユカさん» ありがとうございます!今週中には出したいです😖 (2022年5月26日 18時) (レス) id: cc2d7e8a3f (このIDを非表示/違反報告)
ユカ(プロフ) - すごく面白いです。更新楽しみにしています。 (2022年5月25日 22時) (レス) id: 996863b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
えびてゃん(プロフ) - rieさん» ありがとうございます🥹ちょっと今バタバタしているので週末頃には新しい方を出したいと思っています😖 (2022年5月25日 20時) (レス) @page34 id: 3707cdaeb8 (このIDを非表示/違反報告)
rie(プロフ) - 続きが気になります(;O;)更新楽しみにしています。 (2022年5月25日 19時) (レス) @page35 id: 946afd3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
えびてゃん(プロフ) - 飴雨さん» こちらの作品も見ていただきありがとうございます😂 更新頑張りますね💪 (2022年5月22日 16時) (レス) id: 3707cdaeb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えびてゃん | 作成日時:2022年5月21日 16時