死神と呼ばれています (ページ40)

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そう言うと克己兄さんは笑いながら

唐「ははっ他の人は、騙せても俺を騙すには
　まだまだだな」

あたしは、克己兄さんから視線を逸らすと

　「城戸さんに告げ口でもするの？」

唐「しないよ…でも、城戸司令のやり方より
　Aの方が良い案を出すと俺は思ってる
　けどね」

私は、少し頬を赤らめながら

　「おだてても何も出ないよ克己兄さん」

唐「おだててないよ、本当のことを言っているだけだよ」

　「でも、あまり自信はないよ…私が一歩間違えたら崩れそうな気がして」

克己兄さんは、私の方に視線を向けると

唐「どう動く気なんだ？」

私は煙草を消し、２本目の煙草に火をつけた

　「城戸さん達と交渉に持っていく計画をしているの」

唐「迅君のサポートなら問題ないんじゃないか？」

　「でも、そればかりに頼るのもなんか…」

唐「それより…Aは本部側なのに玉狛について平気なのか？」

克己兄さんは試すように言ってきた

　〚さすが鋭い所をついてくるわね〛

　「そもそも…隊員同士の争いは禁止なのに
　それをおっ始めようとしているから
　その仲裁として入るつもりよ…
　規則を乱す者を罰するのが仕事だから」

唐「なるほどね」

私は克己兄さんの方に勢いよく振り向くと

　「絶対に城戸さんに言わないでよ！
　美味しい話があると、克己兄さんは
　すぐに利用しようとするんだから！」

少し怒りながら言うと克己兄さんは笑いながら

唐「はははっ…こりゃ、参った
　こんな可愛く言われたら裏切れないじゃないか」

　「裏切る気で、人の話を聞かないでよ！」

私が腕をぶんぶん振っていると
克己兄さんは私の頭に手をおきに撫でてきた

　「も、もー…そういう年齢じゃないのに」

唐「俺にとっては可愛い妹みたいなものだから、これで良いんだよ」

　〚毎回、これで許してしまう自分が情けなくなる…〛

私は煙草の火を消すと克己兄さんも火を消した

唐「そういや…大学は良いのか？」

　「今は冬休みだから平気よ？それに潜入任務もあるし」

唐「ま、無理はするなよ」

　「克己兄さんもね！」

私達は喫煙所で別れた