秘書は引っ張りだこです (ページ19)

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太刀川さんは、私をじーっと見つめた後
先輩の方に視線を向けた

慶「なんで、俺達は知らないんだ？
　そんな美人、忘れるわけないはずだが」

蒼「…本部は、知っているのか？」

　「本部で私のことを知ってるのは上層部の方と極一部です…」

悠「あはは、あんまり本部にも行かせてないからね〜」

蒼「色々と腑に落ちんな」

悠「それは…まぁ、色々とあったんだけど〜…今日みたいな時のために隠してたって感じ」

先輩はヘラヘラ笑って話をそらした

　〚本当は本部の管理下に置かれる予定だったが、玉狛から離れたくなかった…あそこは母さんの思い出がいっぱいあるから〛

悠〚Aのわがままで、市街地が一部消滅する未来が見えてたから、うかつに本部に連れて行けなかったなんて言えないな…〛

先輩は一息おいてから

悠「ま、そーいうわけで話は戻るが…
　隊務規定違反を言うなら
　うちの後輩だって立派なボーダー隊員だよ
　あんたらが遣ろうとしていることも
　ルール違反だろ、風間さん」

先輩の言葉に黙る風間さんだが
三輪さんは噛み付いてきた

秀「立派なボーダー隊員だと……！？ふざけるな！ネイバーを匿っているだけだろうが!!!」

悠「ネイバーを入隊させちゃ、ダメっていうルールはない」

　「それに正式な手続きで入隊した正真正銘のボーダー隊員です文句は言えないと思いますが」

秀「なん……」

先輩と私に丸め込まれる三輪さんだったが
太刀川さんにはきかなかった

慶「いや迅…お前達の後輩は、まだ正式な隊員ではないぞ」

太刀川さんの言葉に私達は理解できなかった

　「どういうことでしょうか？」

バッグワームを解除しながら、太刀川さんは答えた

慶「玉狛での入隊手続きが済んでても
　正式入隊日を迎えるまでは本部では
　ボーダー隊員と認めてない
　俺達にとって、お前達の後輩は1/8までは
　ただの野良ネイバーだ
　仕留めるのになんの問題もない」

悠「へぇ……」

　『…なるほど、本部の規定だと確かにそうですね』

悠『こうゆうことは覚えているんだよね〜太刀川さんって』

しばらく沈黙が続いたが
風間さんが、それをやぶった

蒼「邪魔をするな迅、殿池
　お前達と争っても仕方ない
　俺達は任務を続行する
　たとえ、本部と支部でパワーバランスが
　崩れることを別としても
　黒トリガーを持ったネイバーが
　野放しにされている状況は
　ボーダーとして許すわけにはいかない」