そんな毎日。 (ページ10)

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マンネズの脱走ページ10

DN 視点

僕には練習生になった時から相方がいる。

『チャン…？』
「チャニでいいよ。」
『ちゃに…』
最初は韓国語がまだ難しかったのか、練習生の頃は口数が少なかったA。
それでも同い年で一緒のタイミングで入ったのはお互い心強かった。
僕の前ではわかる言葉を一生懸命話す姿が幼いながらもかわいいなって。

誕生日も1日違いで一度喧嘩したw
『オッパぶらないで！！』
「なんでだよ！？1日でもAが妹だろ！？」
SC「ヤー！お前らいい加減にしろよ！？？」
『だってぇ…ぅぅっ』
結局泣かしちゃって沢山謝った記憶が。

僕には昔から対等に話してくれて、たまにヒョン達の話し方を真似して『お前ー！』って呼ばれた日はビックリしたw
今ではディノって呼ばれる機会が多いけど、あの舌っ足らずな『ちゃに』が聞けた日は嬉しくなる。

緑の練習室の日々、ヒョン達は色々抜け出して楽しんでいると知った。
それはAも理解出来たみたいで、ある日
『チャニ…わたしね、ドーナツ食べたいの。』
「ドーナツ？マートで売ってない？？」
『あ、…んーと、お店のかわいいの。』
「あ〜！！！」
周りは男だらけで忘れてたけど、この子はちゃんと女の子だった。
街で流行ってることは何となくわかるし、それは気になるよね。

「あそこら辺のお店？」
『(頷く)』
「僕もあんまりわからないんだけど……行ってみる？」
『うん!!!』
綿密な計画を立てて、練習室から抜け出すことが出来た。
Aとはぐれないように手を繋ぐ。
少し早歩きをしてかわいいドーナツが売ってるお店まで来れた。

「Aここで大丈夫？買って食べながら戻ろう。」
『うん！………ちゃにありがとう！』
キラキラ目を輝かせたAはデビューを目指して練習してる時とは違って普通の女の子の顔をしていた。

食べながら戻った練習室では、
SC「A〜」
HS「チャナ〜」
『「！？？！？？？」』
WZ「説明できる？」
「あの、」

話そうとするとAが手で止めてきた。
『あの…ドーナツたべたくて行ってきました』
ﾘﾀﾞｽﾞ「・・・は？」
『えっとドーナツが好きでおいしくて、』
SC「ふふっ、Aおいしかった？」
『(笑顔で頷く)、チャニはわたしが来てって言いました』
まさかここで守られるなんて…ヒョン達も怒るに怒れなくて語られるエピソードの一つになり、Aの絵文字は🍩。

Aは今も飽きることなく、『チャニ、今度ドーナツ食べに行こう！』と、ついこの前も誘ってくれた。