そんな毎日。 (ページ30)

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頑固ちゃんページ30

WN 視点

『……うぉぬ』

またなんかこの子は困ってるのかな？

久しぶりみんなで集まっての仕事だった。
そうなると人数も多い上にスタッフの数もすごい増える。
親しんだ仲の人もいれば、初めての人もいるってこと。

「どした？」
『んーん、ちょっと。』
「なに？」
『…内緒。』

『ウォヌオッパといると落ち着くから。』
「……だから、椅子まで移動させて隣に来たの？」
『うん。へへっ』

最初に聞いた舌っ足らずな呼び方は気のせいだったかな〜と
隣でスマホをいじってるAの画面を覗くと、
ーハングル覚え方
ーハングル読み方
ーハングル勉強

それに気づいたのかスマホを真っ暗にしてすぐに隠すA。
「A、やっぱり何か言われた？」
『…ないしょです』
「やー、頑固だな。また勉強するの？」
『……わからない。だってすごい早口で話されたんだもん。
聞き取れなかったの…そしたらなんか嫌なこと言われたから……』

「A気にしなくていいんだよ。俺らと過ごしてて困ったことあった？」
『困ったことはたくさんあります！』
「あぁ、違う違う。話しててわからなくても、読めない字があっても皆すぐこうだよって教えてくれるだろ？」
『うん。……わたし甘えちゃってる』
「違う、俺らがそうさせてるの。じゃないとA頑張りすぎるから。」

ダンスも歌もストイックに打ち込むのに言語も完璧にしようとし始めたAは、幼いせいもあって言葉の解釈ができず練習生の時に一度パニックになったことがあった。
それ以降事務所からもメンバー総意で日常に支障がないと判断できる以上のことはメンバーでカバーしていこうと決めたんだ。

「大丈夫だよ、大したこと言われてない。」
『だって、そんな…もし、』
「A。」
普段、人前では見せないようにしてるけど向かい合うように膝の上にのせる。

「困ったら？」
『だれかに話す』

「悩んだら？」
『だれかに話すっ』

「何かされたら？」
『だれかに話す！！』
「ははっ、わかってんじゃん。」
両方の頬っぺをうりうりしてあげると、にこにこ笑い出すA。
いつまで経っても赤ちゃんだね〜。

MG「あぁ〜ウォヌヒョンがAのこと独り占めしてる〜！」
SG「え！ずるい！」
あーあ、うるさいのが来ちゃった。
俺の膝から持ってかれた赤ちゃんはその後ずっとにこにこだった。