帰宅 ページ38
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冷えていた体があたたまる。
白湯を飲んでから湯船に浸かると外からも中からもあたたまる。あたたかいと感じて初めて冷えていたのだと気付かされる。
ゆっくり目を瞑り温まった手で顔を覆うと、じんわり染みる。
昨日ぶりの黒羽家。そう思うと、ほっと心が安らぐ。
『快斗ね、江戸川コナンくんに手を貸して、とある大きな犯罪組織と戦ったらしいの。今は安全のため警察病院にいるわ。でも快斗のことだから、もしかしたらAちゃんに会いにムリして病院を抜け出しちゃうかもしれないのよ。だからーー』
快斗くんのお母さんが心配そうに眉を下げたので、わたしも分かりましたと微笑みを返した。
ぼんやりと昨日の出来事と自分の言動を反芻する。やはり無計画で無鉄砲過ぎた、と今なら冷静にそう思える。
快斗くんは警察病院にいるため高校を1ヶ月ほど休まなければならないので、千影さんは月曜日に休校届けを提出しに行くという。
腕を動かすと、入浴剤の入った乳白色のお湯が跳ねる。頭の芯がぼうっとして思考が鈍くなる。
昨晩、青子ちゃんが快斗くんのお見舞いに来てくれていたらしい。わたしも快斗くんも不在だったので、千影さんは二人とも仲良くインフルエンザで寝込んでいるのだと、心配する青子ちゃんに話してくれたという。
優しい青子ちゃんは「寝込んだ快斗くんをひとりで看病している」と思ってお粥を持ってきてくれていた。後でいただこうと思っている。
「……ごめんね、青子ちゃん。でも、本当にありがとう。うれしいよ」
ポツリとしずくが垂れて小さく水紋を作った。
・
千影さんが快斗くんのお見舞いに行ってきた。快斗くんは1ヶ月以上入院しなければならないけど、いつもの調子は戻っていたらしい。
そう話してくれる千影さんは心配そうというよりも、なんだか誇らしげだった。家族ってこんな感じだったっけ、と自分の家族を思い出した。慌てて目を伏せ、ごちゃ混ぜの感情を体内にとどめる。
「……Aちゃん、やっぱりね、おばさん諦めきれないの。黒羽家の養女になるの、もう一度考えてみるっていうのはどうかしら」
そう優しく提案してくれる千影さんに目を向けると、声と同じように優しい表情で
「はいっ。快斗くんと話し合った後に、お返事させてください」
そして、その日からいつもの調子が戻っていったのは間違いなく千影さんのおかげだろう。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - ちょっと内容を変更しました。97から100話、もう一度読んでいただけたら嬉しいです。それでは、今度こそ続編の準備をしてきます！ (2020年5月23日 18時) (
レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - お久しぶりです。100話が終わり、次章へと進みます。主人公の心の成長を伝えられたらと思って書いていますが、なかなか難しいですね。次章では、大きく分けて三つの問題について主人公が悩みます。それでは、ハッピーエンドへ進めるよう準備してまいります！ (2020年5月18日 14時) (レス) id: 768bd78820 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんばんは、たんぽぽ珈琲です。コロナウイルスで色々と状況が変化していますが、動かなくていいのだと思って、お菓子を作ったり編み物をしたりと、有意義な時間を過ごしていました。平和ボケしているかもしれませんが、みなさんもこの時間を楽しめていたらと思います。 (2020年4月8日 19時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明けましておめでとうございます！先ほどスケート滑って転んで手首腫れて痛くて包帯まいてもらった作者です。本日更新したおはなしは「言えずにいたこと」です。最後となりましたが、今年もよろしくお願いします！ (2020年1月5日 13時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんにちは、作者です。生活に慣れてきたので、そろそろ更新しようかなと思っています。お待ちくださっている読者さま、ありがとうございます！ 初めて投稿した作品なので辻褄の合っていない部分などありますが、完結させたいと思います。以上、告知でした！ (2019年9月18日 10時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぽぽ珈琲 | 作成日時：2018年10月28日 14時
