悔しいけれど ページ16
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「わたしが『はい』か『いいえ』で答えられるように質問してね」
「分かったよ。でも、もう6時だから一旦、夕食の支度をしようか」
どうかな、と二人に目を向けるとAがぱっちりと目を開けてきらきらの笑顔を見せた。
「ハムサンドが良いなあ」
「Aはあれからほぼ毎日食べているというのに飽きないんだね」
「なにか悪い？」
悩んでいた黒羽くんが、頰を膨らまして僕を軽く睨むAにちらりと目をやったあと口を開いた。
「じゃあ……俺もハムサンドで」
コイツが惚れ込んでるハムサンドを食べてみたい、と彼は悔しそうに続けた。妹のような存在であるAが僕のハムサンドを食べるために毎日外出していることに対して嫉妬しているのだろう。そう思うと、この生意気な彼も可愛いものだ。
「ハムサンドの材料は全部あるからさ、好きに使っていいけど家は燃やさないでくださーい」
「ええっと、ハムサンドの材料は……食パンと、ハムと、レタスと、マヨネーズ」
それと味噌ね、とAが忘れずに付け足す。ハムサンドの話をしている僕らふたりを黒羽くんが食卓めがけて早歩きで追い越していく。
「全部整っているようだね。」
「お腹すいた！ 早くハムサンド食べたーい」
「分かった。じゃあ黒羽くん、キッチンを借りますね」
振り返り側に僕の笑顔を見た黒羽くんがうげっと声を漏らす。安室透の営業スマイルへと急に切り替わったので違和感を感じたのだろう。
Aと黒羽くんが出してきてくれた材料を使ってハムサンドを3人分作り皿に並べた。隣でAが目を輝かせながら美味しそうと呟いたので安室透らしい笑顔を浮かべ、謙遜しておいた。
「いただきまーす」
3人で食卓を囲んで椅子に座り、手を合わせ、ハムサンドを頬張った。黒羽くんはリスやハムスターのようにもしゃもしゃと可愛らしく食べてくれて、Aは嬉しそうにその様子を写真に収めようとスマホを手に取ったが、それに気づいた彼に叱られていた。
「うわぁー！ どうして俺が負けるんだっ！」
「日頃の行いを改めろってことでしょ」
食器洗いはじゃんけんで負けた黒羽くんに任せ、ふたりで向かい合った椅子に腰掛けた。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - ちょっと内容を変更しました。97から100話、もう一度読んでいただけたら嬉しいです。それでは、今度こそ続編の準備をしてきます！ (2020年5月23日 18時) (
レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - お久しぶりです。100話が終わり、次章へと進みます。主人公の心の成長を伝えられたらと思って書いていますが、なかなか難しいですね。次章では、大きく分けて三つの問題について主人公が悩みます。それでは、ハッピーエンドへ進めるよう準備してまいります！ (2020年5月18日 14時) (レス) id: 768bd78820 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんばんは、たんぽぽ珈琲です。コロナウイルスで色々と状況が変化していますが、動かなくていいのだと思って、お菓子を作ったり編み物をしたりと、有意義な時間を過ごしていました。平和ボケしているかもしれませんが、みなさんもこの時間を楽しめていたらと思います。 (2020年4月8日 19時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明けましておめでとうございます！先ほどスケート滑って転んで手首腫れて痛くて包帯まいてもらった作者です。本日更新したおはなしは「言えずにいたこと」です。最後となりましたが、今年もよろしくお願いします！ (2020年1月5日 13時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんにちは、作者です。生活に慣れてきたので、そろそろ更新しようかなと思っています。お待ちくださっている読者さま、ありがとうございます！ 初めて投稿した作品なので辻褄の合っていない部分などありますが、完結させたいと思います。以上、告知でした！ (2019年9月18日 10時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぽぽ珈琲 | 作成日時：2018年10月28日 14時
