夕焼け ページ7
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何言ってんだこの人。「江戸川コナン」はオレが咄嗟に名乗って造った小学一年生のーー
そこまで考えてオレは気づいた。この人はコナンが実在しないということを知っているんだ、と。
「ねぇお姉さん。お姉さんは、だれなの？」
「え？どうしてキミは、私がキミの親戚では無いと、確信出来るのですか？」
質問を質問で返されオレは言葉に詰まった。
やはりこの人はオレを知っている。知っている上でこの意地悪な質問をしているんだ。
オレの背筋に冷たい汗が流れる。その時、灰原が息を切らして二人きりの路地裏に現れた。
「江戸川くん！ その人は一体、」
「私はアガサゆき。さっき言った通りコナンくんの遠い遠い親戚です。でもカレは信じてくれないようですけどね」
灰原の言葉を遮って言い放たれた名前を聞いて鳥肌が立った。
名字を「アガサ」と言った。
つまり、コナンが阿笠博士の遠い遠い親戚だということに気づいているということだ。
ーーコナンは母さんと博士の遠い遠い親戚ということになっている。
それを調べることが出来るのは、だいぶ限られてくる。
安室さんや赤井さんのような警察関係者か、それか裏の人間。
「哀ちゃんも私がカレの親戚じゃないと思ってるんですか？」
名前を呼ばれ、オレと同じ青い瞳に射抜かれた灰原がたじろぎ泣きそうに顔を歪ませる。
アガサさんはそれに気づいていないようなので「アガサさん、灰原が怖がってるよ？」と助け舟を出す。すると彼女はハッとして唇を噛み俯いた。
「……ごめんなさい。怖がらせるつもりはなかったんです」
アガサさんがふぅ、と悲しさを含んだ息を吐く。
「日も短くなってきましたし……帰りましょうか」
オレと灰原を交互に見て落ち込みながら微笑んだ。オレはその顔を見るのがどうも苦しくて目を逸らした。
「良ければ、また、会いましょう」
彼女はそう残して手を振り夕焼けに包まれた大通りに向かって歩いて行った。
彼女の影が小さく見えた。
「江戸川くん」
灰原の弱々しい声が、冷たい風に溶けていった。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - ちょっと内容を変更しました。97から100話、もう一度読んでいただけたら嬉しいです。それでは、今度こそ続編の準備をしてきます！ (2020年5月23日 18時) (
レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - お久しぶりです。100話が終わり、次章へと進みます。主人公の心の成長を伝えられたらと思って書いていますが、なかなか難しいですね。次章では、大きく分けて三つの問題について主人公が悩みます。それでは、ハッピーエンドへ進めるよう準備してまいります！ (2020年5月18日 14時) (レス) id: 768bd78820 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんばんは、たんぽぽ珈琲です。コロナウイルスで色々と状況が変化していますが、動かなくていいのだと思って、お菓子を作ったり編み物をしたりと、有意義な時間を過ごしていました。平和ボケしているかもしれませんが、みなさんもこの時間を楽しめていたらと思います。 (2020年4月8日 19時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明けましておめでとうございます！先ほどスケート滑って転んで手首腫れて痛くて包帯まいてもらった作者です。本日更新したおはなしは「言えずにいたこと」です。最後となりましたが、今年もよろしくお願いします！ (2020年1月5日 13時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんにちは、作者です。生活に慣れてきたので、そろそろ更新しようかなと思っています。お待ちくださっている読者さま、ありがとうございます！ 初めて投稿した作品なので辻褄の合っていない部分などありますが、完結させたいと思います。以上、告知でした！ (2019年9月18日 10時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぽぽ珈琲 | 作成日時：2018年10月28日 14時
