哀ちゃん ページ6
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「コナンくん!今日哀ちゃんとポアロ行くんでしょ?歩美も行くー」
吉田さんはいつ聞いたのか、私と江戸川くんの間に割って入って来る。
「僕らを置いて行くなんて、ひどいですよコナンくん」
と円谷さんは文句を言う。
「うな重食いてぇなぁ」
「わぁったよ……一緒に行こうぜ」
「残念だけれど、ポアロにうな重はないわよ」
そういうことで私は騒がしい4人を見張りながらポアロへ足を進めた。
から、からっ、かららん。
来客を知らせる鈴が忙しそうに揺れる。
「いらっしゃいませー」
と榎本さんが明るく言う。
「あっ。コナンくん。それとお友達かな」
ちょっと目を離した隙に、気の早い4人は前の方に行って騒いでいる。
監視って本当に疲れるわね。肉体労働よ。
「新しい店員さんだぁ!」
「可愛らしい方ですね〜」
「うな重ねぇかな」
「元太、何度も言うけど喫茶店にうな重は無いぜ」
「ちぇっ」
「ごめんね。ここにはうな重、ないの」
そう言って申し訳なさそうに謝る、このポニーテールの女の子が水鳥さんね。
今日は安室さんはいないので少し観察して見ることにした。
ガラスのコップを拭いていたようで、手にはタオルがある。私たちを見て目を輝かせてるのを見ると子供好きと考えられる。3人は自己紹介の後お決まりの少年探偵団ポーズを決めていて、それを見た水鳥さんはなんだか感動している模様。
ずっと観察していたいけれど、自己紹介の番が回ってきたのでしなければいけない。
「灰原哀よ」
すると水鳥さんは愛おしそうに私を見つめてから哀ちゃん、と確かめるように呟いた。不思議と気分は悪くない。
そして組織特有の匂いもしない。
ホッと安心する。水鳥さんからにおいがしない。
「水鳥さんの妹って、何年生?」
私が恐る恐るそう聞くと、彼女は少し迷ってから明るく答えた。
「一年生だよ。弟は五年生と三年生で、四人兄弟でーす」
彼女は歯を見せて向日葵のように微笑む。すると子供達はすごーいと目を輝かせる。私はさっきの彼女の表情を見て、大丈夫かしらと心配になった。もしかしたら無理して笑っているんじゃないかと。
目をキラキラと輝かせる彼らを水鳥さんは一通り満喫した後、さて、と話を切り出す。
「何食べたい?」
そう首を傾げ、ポニーテールを揺らす彼女にうっかりアイスコーヒーを頼んでしまった。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーんいつのまにか30万hit超えてたー。嬉しいです。ありがとうございます。これからも名探偵コナンの夢小説盛り上げていきましょー! (2020年12月14日 22時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明里香さん» 誤字の指摘、ありがとうございます。お恥ずかしい限りです……。明日までには直しますね。 (2018年11月18日 19時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - タイトルの掛け、「賭け」ではないですか? (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 特製ミルクティーの話、誤字がありました。「こんな事始めて」ではなく、「こんな事初めて」です。 (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» きゃー!そう言って頂けて嬉しいです!!更新頑張ります! (2018年10月13日 22時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たんぽぽ珈琲 | 作成日時:2018年8月23日 3時