嵐の後の静けさ ページ43
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わたしはしばらくの間、彼を直視できなかった。ダメージが大きすぎたからだ。
何のダメージか、って?
……あの殺人スマイルをもろに受けてしまった、ダメージだ。
かああっ、と顔を赤くしているわたしの様子を彼はニコニコしながら眺めている。
絶対楽しんでるな。このやろー。
「そのっ、ポアロは行かなくていいの?」
「あぁ……そうでした」
彼はそう言うとわたしの携帯に電話番号を登録して、あっという間に家から出て行ってしまった。
静かな家にポツンと残されたわたしは、透さんの素早さに驚きすぎて声も出なかった。
「……嵐のようだった」
口ではそう言いつつ、にやけながらピンクのスマホのを眺めていた。
そこには「快斗くん」「寺井さん」「透さん」と連絡先が3つ表示されている。
うへへ、と女の子とは思えない変な声を出した後、わたしの電話番号を知らないだろう透さんに「よろしくね」と言いながらジャンプしている、うさぎのスタンプを送った。
このうさぎは無駄に動いていて面白いのでわたしのお気に入りだ。
スマホをソファに置いてからぐーっと伸びをして冷蔵庫へ足を運び中のものを確認すると鶏肉があったのでお米を2合炊いたあとチキンカレーを作った。
「出来た!」
手を洗ってタオルで手を拭いた後、スマホを確認すると、
『快斗くん「ごめん!学校今終わったから、今見た!安室さんに何もされなかった??大丈夫か??」-30分前』
と表示されていた。
今は5時半なので、5時に学校が終わったってことだろう。そろそろ帰ってくるかな、と少しウキウキしながらソファに浅く腰掛ける。
ぴ、ぴ、ぴ、ぴー
とご飯の炊き終わった電子音が聞こえる。ただでさえ外に出ていなくて体力が落ちてしまったのに、今日は少し無理をしてしまった。
瞼が重い。
右手で左手の甲をつねっても、眠気は飛んでいかない。
瞼が重くて、やばいーー
かっくん、と首に衝撃を感じて瞼が少しだけ軽くなる。
本当にやばい。このままだと快斗くんが帰って来る前に眠ってしまう。
それでも瞼はとてつもなく重くて、わたしはそれに逆らえなかった。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーんいつのまにか30万hit超えてたー。嬉しいです。ありがとうございます。これからも名探偵コナンの夢小説盛り上げていきましょー! (2020年12月14日 22時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明里香さん» 誤字の指摘、ありがとうございます。お恥ずかしい限りです……。明日までには直しますね。 (2018年11月18日 19時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - タイトルの掛け、「賭け」ではないですか? (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 特製ミルクティーの話、誤字がありました。「こんな事始めて」ではなく、「こんな事初めて」です。 (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» きゃー!そう言って頂けて嬉しいです!!更新頑張ります! (2018年10月13日 22時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たんぽぽ珈琲 | 作成日時:2018年8月23日 3時