依頼 ページ42
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蒼色の瞳をきらりと光らせて、彼は囁くように言う。
「ーーでも、隠しごとはそれが全てでは無いだろう」
どきりとした。
そこでやっと、いつもの優しい透さんは、わたしの目の前にいないのに気がついた。
「休んでいるところに悪いが、僕は、諦めてはいない」
何を、とは聞かなくても分かった。わたしの隠しごとを知るのを、彼は諦めてはいない。
真剣な眼差しを見て、そう言っているのだとすぐに分かった。
それにしてもこの感情はなんだろう。ひんやりしているようで、暖かい。
どこか、懐かしい気がした。
「あ……わたし、嬉しいみたい。わたしという存在を知りたい、って透さんが思ってくれて」
涙がぽろぽろと零れてズボンを濡らす。人前で泣くなんて、いつぶりだろう。
「探偵の透さんに一つ、依頼してもいいですか？」
「……なんだい？」
透さんはそう不思議そうに目をぱちくりさせる。
「わたしの隠しごと、解き明かしてください」
わたしは涙でぐちゃぐちゃの満面の笑顔で、そうお願いした。
「前ね、わたし、自分が嫌いになっちゃって、でも死にたくは無くて、迷ってた」
透さんが顔を少し歪めた。
「一年間引きこもって、そろそろこのままではヤバイって思って、外に出てきたの」
外に出てきたことは後悔していない。
「黒の組織が家族を殺した、って知って、ジンとウォッカが来て、わたしはもう一度殺された」
怖かったし悲しかった、と続ける。あの時の、頭に銃弾が貫通する、あの場面が脳裏に浮かぶ。
「でも透さんがわたしの事を、知りたいって言ってくれた。それで嬉しいと思っちゃったんだ」
乾いた笑い声を漏らすと、透さんは悔しそうにわたしの手を強く握った。
「おかしいよね。自分が嫌いだったはずなのに、結局わたしは自分が好きなんだよ」
息を吸うと、邪魔なものがなくなってすっきりした肺が空気でいっぱいに満たされる。
「わたしは勇気がないから自分からは言えないの。ごめんなさい」
わたしは柔らかく微笑んで、透さんの目を見てもう一度、さっきの言葉を繰り返した。
「だから、わたしの隠しごとを、解き明かしていただけませんか？」
少しの間が空いて、透さんはずっと閉じていた口を開いた。
「……勿論です。水鳥Aさん。あなたの依頼を引き受けます」
透さんは優しい笑みを浮かべて、わたしの依頼を受けてくれた。
「ありがと……っ」
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーんいつのまにか30万hit超えてたー。嬉しいです。ありがとうございます。これからも名探偵コナンの夢小説盛り上げていきましょー！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明里香さん» 誤字の指摘、ありがとうございます。お恥ずかしい限りです……。明日までには直しますね。 (2018年11月18日 19時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - タイトルの掛け、「賭け」ではないですか？ (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 特製ミルクティーの話、誤字がありました。「こんな事始めて」ではなく、「こんな事初めて」です。 (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» きゃー！そう言って頂けて嬉しいです！！更新頑張ります！ (2018年10月13日 22時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぽぽ珈琲 | 作成日時：2018年8月23日 3時
