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からすの優しさ ページ27

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日曜日の昼下がり、客で賑わうショッピングモールの一階で自分の服を選んでいた。


「うー何がいいかわかんないなー」


わたしは服のかかったハンガーとにらめっこをしながら溜息を吐いた。実はファッションセンスなんて無いのだが、雑誌を読みながら無理やり頭に押し込んだのだ。

顔でも洗ってこようと手首にかけていた服を全て元の場所に戻してトイレへ向かう。少し暗い女子トイレに差し掛かった時、中から急に人が現れた。急いで足を止め横に避けようとしたが、向こうは気づかなかったようでぶつかってしまった。


「わっ」


肩にかけていた鞄が落ちて入っていた財布やボールペンが散らばってばらばら、と音を立てる。尻もちをつくだけで済んだが、床が硬いためお尻が痛い。


「Oh! Sorry」


するとぶつかって来た人がわたしに手を差し伸べた。外人さんなのだろうか。高くて綺麗な声で謝ってくれた。
溜息なんかついて申し訳なかったな、なんて呑気に思った。


「怪我は無い?」


次の瞬間、烏のように真っ黒な服に目を奪われる。


「大丈夫?……水鳥Aちゃん」


服と同じ真っ黒な女優帽を被り、大きなサングラスをかけたプラチナブロンドの彼女は、わたしを見て妖艶に微笑んだ。


「……あ、っ」


思わず驚きの声を漏らすと、彼女ーーベルモットは落ちたものをかき集めてカバンに詰め込んだあと、強引にわたしの手を取り起き上がらせ、引っ張って行く。


「その様子を見ると、貴女は私のことを知っているようね」
と彼女は冷たく言い放つ。


驚きと緊張から乾いた喉を唾で潤わせ、絞り出すようにして言葉を発する。


「……もし、もしも知ってる、って言ったら、あなたはどうするつもり……?」

「いえ。別にどうもしないわ」


綺麗な横顔を警戒しながら見つめる。
進む方向に自動ドアが見えたので、外へ出ようとしているのが分かる。


「ただ、貴女、今晩ジンに消されるわよ。これを伝えたかっただけ」


足の動きが遅くなる。

少し遅れて耳が反応する。

その声が耳から脳に伝わって、ようやく言葉の意味を理解する。


ーーころされる?わたしが?


「え、え?」


わたしは今まで一度も黒の組織と関わっていない。なのにどうして?

驚きと焦りと恐怖とで身体が震え始める。

どくり、どくり。
心臓の動く音が聞こえる。

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たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーんいつのまにか30万hit超えてたー。嬉しいです。ありがとうございます。これからも名探偵コナンの夢小説盛り上げていきましょー! (2020年12月14日 22時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明里香さん» 誤字の指摘、ありがとうございます。お恥ずかしい限りです……。明日までには直しますね。 (2018年11月18日 19時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - タイトルの掛け、「賭け」ではないですか? (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 特製ミルクティーの話、誤字がありました。「こんな事始めて」ではなく、「こんな事初めて」です。 (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» きゃー!そう言って頂けて嬉しいです!!更新頑張ります! (2018年10月13日 22時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たんぽぽ珈琲 | 作成日時:2018年8月23日 3時

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