【名探偵コナン】あの店員の隠しごと

もーコナンくんったら ページ3

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それで少し気になった事を聞いてみる。


「ねぇ。A姉ちゃんって、兄弟いるの？」


すると彼女は少し驚いたような仕草を見せた。


「あれ、バレちゃった？」

「って言う事はいるの？」


彼女は迷ったように目を泳がせてから、うん、と頷く。


「弟いるでしょ」

「うん。四人兄弟だよ」

「え。四人兄弟？滅多に聞かないなあ」

そう驚くとAは不思議がる。


「滅多に、って……まだ7年くらいしか生きてないでしょ」


それがお前より生きているんだなぁ。とそう言いたくなるが、あいにく俺はいま小学一年生の江戸川コナンである。


「えへー。そうだよ」
と舌を出して子供っぽく誤魔化す。

いま分かったことは、彼女はなにかと鋭いということ。俺がおかしい事を言ったらすぐに気がつくだろう。工藤新一とバレないためには、これから言動に気をつけなければいけない。俺はそう思うと少し心苦しくなった。


「もーコナンくんったら」

俺の心情をちっとも知らない彼女は、まったく、とでも言いたげに、でも嬉しそうにそう言った。

彼女はどことなく怪しいが、きっと根はいい奴なんだろう。自分では気づいていないみたいだけれど、今すごく頬が緩んでいる。安室さんみたいな営業スマイルとは違って、素の笑顔、と言うかふわりとした、心地よい笑顔だ。気を張っていたらこんな風に笑えない。


「A姉ちゃん、ボク、これから毎日ここに通うことにした！」


俺は椅子から降りてニコ、と笑った。
後で赤井さんに調べてもらおう、と考えながら。

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