賭け ページ20
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Aがゴクリと生唾を飲み込んでいるのが隣の僕にまで伝わってくる。
僕は目を逸らさない。
彼女は目を逸らせない。
気持ちが悪くなるほど静かで、耳を塞ぎたくなる。
どくり、どくりとAの心拍音が聞こえる。
僕はワザと「A」と呼び捨てにし、「何を」知っているのかと言わなかった。
君は、どう答える？
僕は彼女が口を開くのを待つ。
「……な、んのことかな。とおるさん」
Aは弱々しく声を絞り出した。
最後まで僕から目を逸らさなかった。
「……それが君の答えか」
「うん……ごめんね」
涙がたまる瞳からは悲しさを感じられた。
「言えない悲しさ」を。
賭けは、成功した。
それと同時に失敗した。
彼女はやはり「降谷零」を知っている。
けれど、彼女を傷つけてしまった。
『ごめんね』なんて言われたくない。
謝られたくない。
僕の方が、言えないことが沢山ある。
色々、ある。
俯く彼女の頭に手を乗せると、それに反応してぴくりと揺れる。
乗せた手をゆっくりと動かして頭を優しく撫でる。
Aは何も言わずに目を瞑る。
すると溜まっていた涙が零れ落ちた。
ぎゅっと一回り小さな手が僕の服を握る。
僕は撫でる手を止めずに彼女を抱きしめる。
「我慢、しなくていいんだよ」
「……う、ん」
もっと撫でて、とでも言うように僕の胸板に彼女の顔がぴた、とくっつく。
ご要望に応えて僕はぎゅ、と強く抱きしめて、頭を撫でる。
服越しに啜り泣いているのが分かる。
「声、出して泣いていいんだよ」
「……とおるさっ、ふえっ……泣いてなんかっ、ないも、んっ。ちが、うもん」
うわぁああん、と車内が泣き声でいっぱいになる。
僕は、嬉しかった。
Aが
彼女が、笑顔以外の表情を見せてくれたことが。
すごく、すごく嬉しかった。
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革ベルト
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーんいつのまにか30万hit超えてたー。嬉しいです。ありがとうございます。これからも名探偵コナンの夢小説盛り上げていきましょー！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明里香さん» 誤字の指摘、ありがとうございます。お恥ずかしい限りです……。明日までには直しますね。 (2018年11月18日 19時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - タイトルの掛け、「賭け」ではないですか？ (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 特製ミルクティーの話、誤字がありました。「こんな事始めて」ではなく、「こんな事初めて」です。 (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» きゃー！そう言って頂けて嬉しいです！！更新頑張ります！ (2018年10月13日 22時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぽぽ珈琲 | 作成日時：2018年8月23日 3時
