短編じゃない。IV【srmfsr】

僕の心配、貴方の心配。8 ページ18

M.


「そらるさんが、ぐいぐいくるの、怖かったんです……」


嬉しいけど、怖くて、仕方、なくて、


ひゅ、となりそうな喉を黙らせるように言葉を次々に吐く。
とめどなく溢れる、必死に押さえつけてた僕の心配。


「どうして最近、深いキスばっかりなんですか、っ……？
どうしてすぐベッドで寝ようとするんですか、
どうして、ねえ、どうして、好き、って、言ってくれるのはなくなったのに、
妙に優しいんですか、からだ、だけじゃないですよね、女の子、出来ましたか？それとも、男の人、ですか……？」


「まふまふ、駄目、言わないで、話さないで、」


ほら、やっぱり図星なんだ。

話すのを止めたせいで、また呼吸が苦しくなって、喉が鳴りそうになる。


「そらるさん、香水、つけないのに、女ものの香水の匂い、するの、僕には分かってた、」


ふいに上半身だけ抱き起こされる、いきなり、やだ、怖い

驚いて喉が鳴った、息がうまく吸えない、吐けない


「おい……！誤解だから、説明するから、待って。
息いっかい止めて、そう、俺と一緒に呼吸して、

……うん、そう、上手。

……抱きしめてもいい？」


手慣れた呼吸指導、子供を褒めるような、あやすような口調、全てが、全てが怖い、怪しい。

寝起きは香水の匂いはしない。
せめて言い分だけでも落ち着いて聞こう。

いいですよ、とこくり、首を振った。

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