【実況者】Beside You.【リクエスト限定短編集】

ある日の放課後【rtrt】 ページ9

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半ば強引に図書室に連れて行かれ、
テスト対策をする事になったのだが、

テスト期間だというにも関わらず
他に生徒が全くいない。


静かすぎる。





彼の方を盗み見ると、

彼も中々手を動かそうとしない私を
不思議そうに思ったのか、

顔を上げた。





「ん？分からへん？」



「それもあるけど、

なんかちゃんとレトさんと話すのは
久し振りだなぁと思って」



「あぁー確かに、そうやったね」



最近お互いに何かと忙しくて
2人で話すことはなかった。



でもやっぱりレトさんといる時が
一番安心するかも知れない。




「分からへんのって、これ？」


「うん。こっから先が解けなくて。」



行き詰まった時、
すぐに優しく教えてくれるお陰で、

その単元のまとめ問題は
かなり正解することができた。






「やったー！終わったー！」



時計を見ると、
最終下校時刻の間近になっていた。




思ったよりも
ずっと集中出来ていたようで、

あっという間だった。





「ありがとう。

時間、遅くなっちゃったけど大丈夫？」



「ぜーんぜん大丈夫。頑張ったなー！」



笑ってそう言ったレトさんに、
自然と笑みが溢れた。





「じゃあ、帰ろうか」


下校時刻を過ぎてまで
校舎内にいるのを先生に見られると、

もちろんだが怒られてしまう。



席を立とうとすると、
レトさんが私を呼んだ。





「 A 」




普段なら「早く行くよー！」
と言っているところだが、


私を呼ぶ声があまりにも真剣で、
何も言えなくなってしまう。





レトさんが顔を近づけてきて、
私は座ったまま動けず

お互いの鼻と鼻が触れそうな距離に。








「A、俺さ......」







滅多に見れない表情に見惚れていると、



図書館のドアが勢いよく開いた。







「誰だよ、電気付けっ放しにして



......って、え」



毒づきながら入って来たのは
同級生の図書委員の子。


私達は急いで顔を離す。



しかし時すでに遅し。





「お、お邪魔しましたぁぁー！！」



図書委員の子は顔を真っ赤にして
鍵を置いて行ってしまった。




残された私達は顔を見合わせて、
声を上げて笑った。







**********



レトルトさんと
放課後の図書室で勉強、でした。


ゆーきちゃん、
リクエストありがとう！

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