【実況者】Beside You.【リクエスト限定短編集】

ある日の放課後【rtrt】 ページ8

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優姫 様 リクエスト


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「テストかぁ。」


前に立った先生をぼんやり眺めながら
ぽつりと呟く。



私にとってテストは憂鬱でしかない。



多くの提出物のおかげ(・・・)で
自由時間なんて存在しない上に、

何より私は勉強が出来ないのだ。



赤点は取ったことが無いにせよ、

それも運良く続いている
奇跡のようなもので。




......というか、そもそもテストを
憂鬱に感じない人なんているのか？





そう思って教室を見渡すと、
1人の生徒と目があった。





**********





「案外近くに居たわ、そんな人。

なーんで早く気づかなかったんだろ」




「そんな人って？」



「貴方みたいに、
テスト期間が憂鬱じゃない人。」




放課後になり、
他の生徒が部活動に向かう頃。


たまたま部活がない私達は、
2人で廊下を歩いていた。



「えぇー？俺テスト嫌いなんやけど」



「少なくとも私より
いくらか希望はあるでしょ、あほルト」



腑に落ちない
といった顔で頭を掻いているが、


何を隠そうこの人は、
学年トップ10に入っているのだ。




10位にはかすったこともない
私からしたら、

苛立ちの原因でしかない。




「はいはい。


頭の良い方々には

私達できない人達の気持ちが
分からないんだよ。」




もういい。

話しているうちに、悲しくなってきた。




レトルトを置いて、早足で前を歩く。



「そんなに点数取りたいんやったら、
取ればええやん。」



予想外の返答に、
呆気にとられて足が止まる。



「え、いや私そんなこと一言も......」



振り返って訂正しようとするも、
それは叶わなかった。



「わかった。俺が教えたるわ。」

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