藤柱は何か抱えてるようです

彼の心の内。 ページ5

義勇side

最終選別が終わって、

錆兎も真菰も失った。

苦しむAに何と声をかければいいのかわからなかった。

ただ、咄嗟に出た言葉は

「大丈夫か。」

それだけだった。

大好きだった2人を失って大丈夫なはずない。

案の定それを言ったあとのAは

涙を目一派に溜めて

その姿はとても悲痛だった。

それから家に帰るまでの時間はとても気まづくて

早く着いてほしいと願うばかりだった。

隣を歩くAは、ずっと悲しそうで

やっと鱗滝さんの所に着いた時には

Aは、歩みを止めていて、

俺たちの存在に気づいた鱗滝さんの方から歩み寄ってきた。

「よく･･･生きて戻った。」

そう鱗滝さんが言って

俺とAを抱き締めた。

その言葉を聞いて

感情を抑えてきていたAは

大きな声で泣き叫びだした。

そんなAを俺はただ

見守るしか出来なかった。

鱗滝さんはすぐに俺たちのご飯を用意してくれた。

「疲れただろう。よく頑張った。」

そう言って。

ご飯を食べてすぐ、Aは泣き疲れたのか寝てしまった。

Aが寝てすぐに鱗滝さんと色んな話をした。

錆兎のこと。

真菰のこと。

異形の鬼のこと。

全てを話すと、

鱗滝さんは俺を抱き締めてくれた。

「義勇。おまえも辛かったろう。よく頑張ったな。」

今まで抑えてきた涙が全て溢れてきた。

錆兎。

守れなくてごめんな。

俺はお前に助けられてばかりだった。

Aのこと、俺が守るからな。


真菰。

真菰はいつもAと一緒にいて

妹のようだった。

俺が呼吸を使いこなせなかった時は真菰とA、錆兎みんなで慰めに来てくれて、

本当に感謝している。

安らかにな。


A。

お前のことは俺が守る。

命に変えてでも。

例えAが俺を嫌いになってでも

俺はお前をずっと守り続ける。

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