藤柱は何か抱えてるようです

それから ページ12

あの任務の後もずっと鎹烏からは任務を言い続けた。

あの後から色々な鬼にあった。

小さな子供の姿をした鬼。

きっと鬼舞辻にやられたのであろう、姿がもう原型を留めていない鬼。

女の姿をした鬼。

色々な鬼を倒し、

そして、過去を見た。

どれも壮絶で、

切ない過去だった。

涙が溢れて耐えられないほどの過去。

同情だってしてしまう。

でも、それが、当たり前なんだ。


だってこの子達は、ずっと前までは、最近までは、




私たちと同じように、ただの人間だったのだから。

妻や子供と笑い合いながら遊んでいたのかもしれない。

知己と遊んでいたのかもしれない。

もしかしたら、先程恋仲と婚約する約束をしてたのかもしれない。


なのに、

たった1人のせいで、


幸せな日常は、


音を立てて


簡単に崩れていってしまうのだから。



一度だけ鱗滝さんに聞いたことがある。

なぜ、鬼舞辻は、私の母と父を殺したのか。

それは、私のせいなのではないか、と。

鱗滝さんは私に言った。

「おまえを産んだことを後悔してるのであれば、鬼舞辻が現れた時、父親や母親はおまえを差し出して命乞いをしているのではないか」

幼い時に聞いた私にはあまり意味はわからなかったが、


心が落ち着くのを感じた。



母様と父様が


なぜ、出会ったのか。


なぜ、結ばれたのか。



それをずっと、聞きたかった。

あの日も父様と母様に聞くつもりでいた。



私はずっと、




その答えを探し続けてる。

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