藤柱は何か抱えてるようです

修行 ページ2

伍の子には厳しいような辛い修行を続けてきた。

毎日毎日呼吸を習得し続けた。

拾になる頃には完璧に水の呼吸を覚えたのだ。

そして、独自に編み出したのが、

藤の呼吸。

藤の呼吸とは、鬼の苦手な藤の花を使った呼吸だ。

この呼吸を使いこなせるのはこの世でAただ1人だ。

師である鱗滝左近次も初めて見た時は本当に吃驚していた。

Aには、ただならぬ才能がある。

それは伍の時から思ってはいたが、

ここまでとは思っていなかったからだ。

水の呼吸は全て覚えていたAだったため、

Aはそれから藤の呼吸をますます使いこなし続けた。

Aはいつでも最終選別に行けたのだが、

鱗滝左近次には不安があった。

その場で亡くなってしまうのではないか。

そんな不安がないはずなく、

それを思うとどうしても最終選別にAを行かせたくなかった。

そんなある日、鱗滝は、錆兎という青年を助けた。

錆兎は鱗滝の弟子となった。

それから真菰という少女もまた、

鱗滝の弟子となった。

錆兎と、真菰、この2人とAはすぐに打ち解けた。

まるで兄弟のように仲良くなった。

そして、ある日、冨岡義勇という青年が鱗滝に弟子入りしてきた。

鱗滝は、彼らと共にAを最終選別に出そう。

そう思っていた。

錆兎、真菰、義勇は、見事に最終選別に行くこととなった。

最終選別の前日はみんなで豪勢な御飯を食べた。

鱗滝はただ、彼らが、Aが無事に帰って来てくれることを願うばかりだった。

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