藤柱は何か抱えてるようです

何となく ページ39

義勇side

Aの過去、

そして、秘密。

本当は何となく気付いていた。

Aが鬼を斬る時の同情した瞳。

唇を噛んで、切なそうに斬っていた。

いつもそれが何故か気になっていた。

でも、今回Aの過去を聞いた時全ての辻褄があった。

Aが炭治郎と会った時の話を聞いた。

鱗滝さんから。

初めは禰豆子と会った時、少し警戒したそうだ。

それは当たり前だが、すぐに警戒を解いた。

きっと鬼同士通ずるものがあったのかもしれない。

Aが過去を俺達に話そうとした時、どれほど苦しかったか。

どれほど怖かったか。

その恐怖は俺達には計り知れない。

過去を話してしまえば、

自分が鬼だと言ってしまえば、

今まで一緒にいた奴は自分から離れてしまう。

そう感じたはずだ。

いや、そう感じるのが普通なのだ。

特に、Aは柱という立場で、

他の柱は鬼に対して嫌悪感などしかない。

今までいくら一緒にいたって、

鬼だったという事実があれば、離れていく人間も多いはずだ。

俺だって鬼には正直殺意しかない。

ただ、禰豆子と同じで

Aは俺達に危害を加えたりしなかった。

むしろ鬼を倒してきた。

そこは評価されるべきだと俺は思う。

少なくとも、俺は、

他の奴が離れていったとしても

俺だけは…

Aのそばにいてやらなくては行けない。

どんな事があっても絶対に…

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