藤柱は何か抱えてるようです

全てに気付いたのは。 ページ29

私の両親のこと、

私の血のこと、

全てに気づいたのは、

鱗滝さんの元に来てすぐだった。

両親は私を普通の子と変わらないように育ててくれた。

その両親が亡くなって、

鱗滝さんの元に来た時は呼吸なんてものがあることを知らなくて、

初めて鱗滝さん経由で呼吸を知った。

鱗滝さんも初めは私に鬼の血が混じってることなんて知らなかった。

それを知ったのは、

鱗滝さんが私に呼吸を教えてくれた時、

私は水の呼吸だけはどうしても出来なくて、

その代わりに出来たものが藤の呼吸だった。

これは父譲りだったらしい。

父も幼い頃に自分で呼吸を作り出したというのだ。

その遺伝なのではないかと思われた。

そして、私にはもう一つ武器があった。

それが、

"血鬼術"なのだ。

普通、人間は血鬼術など使えない。

血鬼術を、使えるのは鬼だけだからだ。

それが幼い頃、私は使えたというのだ。

それを見た鱗滝さんは、私が鬼だと察した。

それでも、私を捨てないで、育て続けてくれたのだ。

私の血鬼術は、鬼同士の戦いにはあまり効かない。

自分より強い鬼には効かないのだ。

ただし、人間にはよく効く。

それを鬼舞辻は何らかの形で知ったのだろう。

何せ、私の血鬼術は、











"幻想を創り出すものだから"



幻想を創り出すこと自体、色々なことに使える。

例えば、敵に囲まれて逃げようとしている時に、幻想を創り出して逃げたり、

創り出した幻想に相手を殺させたり、

良いように使える血鬼術だから、

味方にすれば、自分達の体力を使わずに鬼殺隊を潰せることが出来る。

鬼舞辻達の狙いはそれなのだろう。

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