ケモノ阿吽のいる暮らし。2冊目

律儀な俺らのマネージャー。 ページ41

瀬見side


俺らのマネージャーは律儀である。


夜中とかおかしい時間に変なメールを送っても

翌朝にはなんらかが返されているし、

どんな些細なことでも贈り物をすれば

お返しにと美味い飯を作ってくれたりする。

今日は見たいテレビがあったからAんちに

お邪魔している。帰る途中近所のちびっこ共に

「おねーちゃんこれあげる！」と渡されたたんぽぽを

大事に持っているA。

帰ってくるなりキッチンでコップに水を張り、

たんぽぽを挿して玄関に飾っている。


自慢できるマネージャーだとつくづく思う。



でも気に入らないことが一つ。



Aがつけている見慣れない緑色のリストバンド。

外周の監視中、ずっと彼女がつけていた物で、

聞くところ我らが恋敵のモニワとカマサキに

もらったそうじゃねーか、あぁん？

年増だかカマキリだか知らねーけど

誰の贈り物でもちゃんとそれをつけているあたり

いい意味で悪い意味でも本当に

俺らのマネージャーは律儀である。


「ほんっと罪深い奴」


『何がさ』


不貞腐れてAのおでこを軽く小突く。

トオルがタックルしてくるのなんてお構いなし。


『嫉妬ですか英太君』


「悪いかよ」


『ぜーんぜん』


『可愛い奴めー』なんてからかってくるそいつ。

俺の方が片想い歴長いんだぞ。


「ぎゅー」


『はいはい』


…




どうだ見たか茂庭！

こいつはお前よりも俺らといた方が

ガードがゆるいんだぞ！

お前はこいつの手じゃなくて工具を握ってろ！


「あー回復するわー…」


『重いっ…英太逸れるっ』


Aを覆い被さるようにして抱き締める。

時々胸板を叩いてくるのがどうも愛おしくて。


「頑張れ頑張れ」


『んうっ、ぐぐぐ…』


結局剥がせなかったので

10分ほど経ったら解放してやった。

ハジメとトオル、いっせーの目が少し怖かった。

悪夢襲来。☆MiSo様プレゼンツ→←伊達工デイズ。CASE2 その2

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