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六章 ページ6

「6はどう思う?」
買ってきた飲み物を確認しながら配る六号に、九号はすがるように問いかけた。
「ん?ロク?あ、俺?えっとね〜わっかんねえなあ」
うーん、と悩み始める六号に、五号は議論の発展が期待できないことを感じ取ったのか
「休憩しよ!休憩!飲み物も来たこといだし!ね!」
そうコーラを嬉しそうに抱いて言った。それもそうだ、と納得した彼らは各々に六号にお礼を言って、美味しそうに各自飲み物を飲んだ。
一口頂戴、と言って他者の飲み物を飲んで回る五号の姿を見て八号が呟いた。
「でもホントになんであの子ちょっと分けてって俺らに言わなかったんだろうね」
「ああ、それさっきも言ってたね」
九号が相槌を打つと、八号は前のめりになって話し出す。
「だって思わない?たかがおまんじゅうなんて絶対俺ら分けてあげるに決まってるじゃん。」
「ぜーんぶ自分で食べちゃいたかったんじゃない?」
そうやって七号がのんびりと返した。
「じゃあ食べちゃえば良かったのにね!お腹の中入れちゃえば絶対バレなかったのに」そんな何気ない彼の発言にハッとした様子で発言したのは四号だった。
「wow!そうだ!それだ!」
珍しく大きな声を出す彼に少々面食らいながら、どうした?と六号が優しく尋ねた。
「俺、あの子の鞄の中に、無造作に入れてあるおまんじゅう見て、ずっと何かが引っかかってたんだ。それが今分かったよ。なんで盗んだおまんじゅうなのにあんなに無用心に入れてあるんだろうって思ったんだよ!普通盗んだものだったらバレない様に隠さない?鞄の中で一番上に置いておくなんて、見つけて!please!って言ってる様なもんじゃん!」
先ほどの二号の時とは違って、心から無実を信じる彼の言葉はみんなの心に響いていた。すると更に買い出しに出ていて、先程の議論を聞いていないせいか、六号から柔軟で新しい発想が飛び出した。
「あのおまんじゅうって本当に俺たちのだったのかな?」
「何だって?」
すかさずそう聞き返したのは七号だった。
「や、おまんじゅうなんて名前書いてるわけじゃないしさ、俺たちとおんなじおまんじゅうあいつももらってたんじゃないの?」
「最もな意見だね」
九号が同意する。
「ちょ、待ってよ、じゃあ俺たちのおまんじゅうはどこ行ったんだよ?」
そうやって慌てる七号の言葉にボソリと三号が呟いた。
「俺らの誰かが盗んだ…とか?」
その彼の言葉で休憩モードでなごやかだった場は一気に凍った。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 12人の優しい日本人   
作品ジャンル:タレント
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作者名:田中 | 作成日時:2020年5月8日 21時

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