2. 火照る頬と壊れたエアコン ページ12
*
ザーッと風に揺れる新緑の香りに、教室ではないんじゃないかと錯覚に陥るが、今はまごうことなき平成だ。
ここは、東京郊外に位置する『東京都立呪術専門高等学校』。2年生はたった3人。
禪院真希、パンダ、狗巻棘。
呪いを学んで呪いを祓う。そんな変わった校風と少子化も手伝って、全校5学年合わせても生徒数は10人に満たない。
つい数ヶ月前まではもう1人クラスにいたけれど、あっさり海外に留学してしまった。籍自体は残っているようだが。
「しゃーけ、たらこ、さんま!」
「うお、いきなりどうした棘」
「しかもなんか、おにぎりの具にしてはあやしいの入ってたぞ」
なんか言いたくなっただけで特に意味はない。
ただ、ここにはいない柚季のことを考えたらなんか肩らへんがムズムズしただけだ。
あーあーあー。と叫びたくなるのと似た心境。
因みにさんまについては……パンダに同意せざるを得ない。
まだ時間はあるのかと黒板の右上にかけられた時計に目をやれば、まだ11時25分。
もう一回寝るかと顔を伏せれば、机特有のひんやりとした心地よい冷たさが顔に伝わって瞼がだんだん落ちてくる。
"はじめまして。色摩柚季です"
思い出したのは、今日の再会が1年前と重なったからだろうか。
随分と懐かしく感じる。
5分だけ、と目を閉じた。
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鹿毛(プロフ) - 林檎さん» 林檎さん、そう言って頂けて光栄です!別垢の方を中心に活動していたため、返信も投稿もかなり間があいてしまいました...。林檎さんパワーでまた投稿頑張ります!棘くんは原作ではおふざけ要員みたいなところがあるので難しいですが、温かい目で見守ってください(^^) (2020年12月23日 14時) (レス) id: 2c64977e89 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - めちゃくちゃ面白いです。とげくん視点のお話なんて見たことないし内容も面白かったです。続きお待ちしております。 (2020年11月17日 4時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
鹿毛(プロフ) - 雨村@超高校級の絶望さん» 雨村@超高校級の絶望さま、ありがとうございます!めっっちゃ嬉しいです!展開が遅い作品ですが、お付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年9月25日 16時) (レス) id: 2c64977e89 (このIDを非表示/違反報告)
雨村@超高校級の絶望(プロフ) - わ、やば、めちゃくちゃ面白いです!!!応援してます!!更新頑張ってくださいれ! (2020年9月25日 11時) (レス) id: d3cbdf2262 (このIDを非表示/違反報告)
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