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八十話 ページ5

ばっ、とAが振り向きそうになった途端、Aの目が暗くなり、何も見えなくなった。



『…っ』

「すみません、驚かせてしまいましたね。でも、貴女には前を向いたまま、此方をみないでほしいのです。大丈夫です、何もしませんから」




後ろから甘く優しい声がAに囁く。

何故か言われた通りにしようと思い、Aは振り向きかけていた身体を戻した。




「ありがとうございます。貴女は聡明で懸命ですね。」


ふわり、と目隠しが無くなる。どうやら手で目を隠されていたようだ。





『……』

「こうして出逢えたのです、早速自己紹介を。」


Aの後ろで、男は言葉を紡ぐ。






「僕の名前は…うーん。そうですねぇ。」

『名前を言うのはそんな悩むことなんですか?』



突然悩み出した男に、Aはついつい、ツッコんでしまった。





「ふふ。まぁまぁそう言わず。そうですねぇ、僕の名前はフェージャと呼んでください」





柔らかく笑う姿を見せないその人は、フェージャと言うらしい。



────────────

『あ、の。フェージャさんは何故私を呼んだのですか?』





後ろにいる人に顔を向けずに話すのは存外難しい。
居るか居ないか不安になる。声が届いているのか分からない。


そう感じたAの思いを受け取ったのか、相手の男は即答だった。



「面白そうだなと思っただけですよ。お話しするなら楽しい人がいいですからね」

『…え?』





わざわざそんなことをして私を呼び出したのか。意味がわからない。心の底から。






Aのすぐ後ろに、気配がする。
さっきまで感じなかった気配が、名前のすぐ後ろから感じる。どうやら、背中合わせで座ったようだ。








『本当にそれだけで私をあんな電子手紙(メール)で呼び出したのですか?』

「…それはまたいつか。今回は本当に貴女とお話してみたかったのです。気にしないでください。」




耳がぞわぞわする。頭がぼうっとする。
この話しかける男、フェージャが一言発する度、思考が甘くぐちゃぐちゃにかき混ぜられていく。










『……ぁ』








Aの意識は呆気なく混濁した。

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あや(プロフ) - いつも見てます!サカモトデイズ私も最近単行本全巻買ったので嬉しいです! (2023年1月19日 23時) (レス) @page19 id: 49b52224dc (このIDを非表示/違反報告)
たま猫715(プロフ) - ネギさん» あ!!コメントありがとうございます!返信遅くなって申し訳ございません!あの、今回の番外編読んでいただいたら分かるように設定の紙を無くしまして……ぼちぼち書いていきます泣 (2022年12月22日 15時) (レス) id: d970a0b61b (このIDを非表示/違反報告)
ネギ - 続きが気になります…!!お疲れさまです!! (2022年11月11日 17時) (レス) @page5 id: e9f0b119f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たま猫715 | 作成日時:2022年3月4日 23時

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