二十八話 ページ38
『…
服が無いから服をコピー。
そして同じものを造り上げる。
『…はぁ…どうしよう…』
ちゃぽんと湯船に浸かりながら、Aは考える。
逃げるのは不可能。かと言って云わずに誤魔化す自信も無い。
『…はぁぁぁ…』
腕に残る生々しい傷を見ながら、重い溜息が浴室にこだまする。
─────
『…お風呂お借りしました…』
「おう。まぁそこに座れ。」
…中原さん相手に逃げ道なんて残されている訳なかった。
言われた通り、そーっと座り、次の言葉を待つ。
「また包帯巻いていやがる…」
初めて会った時は巻いて無かったはずだが?と。
有無を言わさぬ声音で彼は云う。
「何した?」
Aからすると拷問の様な質問。
ひゅっ…とAの喉が鳴る。
「…」
『……』
待てど暮らせど続く沈黙に、中原さんは眉間にシワを寄せた。
「…まァ大体の予想は付いてるけどよォ…」
そう言うと、さらにビクリと体を震わせ、縮こませるA。
そんなに言いたくないのか?別に取って喰いはしねェのによ…オレ、信用ねェな。
「あー…ここに青鯖がいたらなぁ…」
きっと
…悩んでも仕方ねェな。よし。
「…って待て待て待て待て!!何処行こうとしてんだ!!」
『…身の危険を感じました』
ジトッとした目線を送るAの腕を掴み、中也はニイッと口角を上げる。
「よく分かッてんじゃねーか」
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さち - 今一気読みしました!!中也さんに頭撫でて貰うシーンが凄くにやけちゃいました。更新頑張ってください!! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 50e2c8124c (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - 良いですね!其れは安心しました!元気なのが一番ですもんね! (2019年5月30日 21時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
たま猫715(プロフ) - 麗華三日月さん» ありがとうございます…!私、結構体は丈夫なんですよ〜。やっぱり健康第一ですかね(笑) (2019年5月30日 9時) (レス) id: 1d5aed1ffe (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - はい!暑いとやる気が出ないですが、たま猫715さんの作品を読むと元気が出ます!無理しすぎないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年5月30日 7時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
たま猫715(プロフ) - 麗華三日月(セイレーン)さん» お久しぶりです!最近暑くなってきましたね!これからも頑張って更新しますね! (2019年5月29日 22時) (レス) id: 1d5aed1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たま猫715 | 作成日時:2019年4月19日 16時