二十五話 ページ35
『美味しいです!!』
はふはふと鍋を頬張るAに、そーか。そりゃ良かった。と言って顔をほころばせる中也。
「…手間っ、味の素かけ過ぎだろ!体に悪ぃ!!」
「え?これが私の普通なのだけれど。」
「今すぐ直せ!!」
白いご飯に味の素がかかっているのだが、ご飯が見えない。白い米が見えない。
うげ…と中也は顔を顰め、Aは不思議そうに太宰と茶碗を交互に眺める。
「Aちゃんもかける?」
白い瓶を傾け、太宰は首を傾ける。
「オイ待てAが手前みたいに舌が馬鹿になったらどうしてくれんだ。コイツはオレが責任持ってちゃんと面倒見んだよ。」
「うわぁ、凄い。お母さんみたい」
“責任を持って面倒を見る”
Aはこの言葉を聞いて胸がぎゅっと痛くなる。
今でさえ充分過ぎる程、見てもらって、良くして貰っているのに。
こんな幸せな時間を、頂いているのに。
自分は、何も返せない。
それが、とてつもなく苦しくて、痛い。
…何時か、何時か。自分みたいな者でも、出来るのであれば。
お返しがしたい。
この幸せな時間をくれたお礼に。
傍にいてくれるお礼に。
─────
「やっっっと帰った…」
太宰がやっと帰った所で、ぐったりとソファにもたれる中也は、ふと思い出したようにAに声をかける。
「そー云えばよォ…手間、暫く出勤はねェらしいぞ。」
『あっ、はい、わかりました。』
「ウチでデカい仕事の山が来てんだとよ。先ずはそれが片付くまで出勤はねェって首領が。」
『承知しました。
…ところで中原さん。そこで眠るのは些か体に障りますが…お風呂を沸かしておきましたので、体を温めてはいかがでしょう?』
「おー…手前は入ったのか?」
『いえ、入ってませんが。ですが、お先にどうぞ。とても疲れた顔をしてますよ?』
コイツほんとに十六歳か?
気遣い、行動を見るととても十六歳とは思えない。
「…ははっ、手間はすげぇなァ」
思わず腕を伸ばし、くしゃくしゃっと頭を撫でる。
目を見開き、少し驚いた顔のAが意外だった。
・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚
中也に頭を撫でられる、というのを最後に入れましたが、私が実際凄くやって欲しい事を入れてみました…
どうでしょう?頭を撫でられるの。
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さち - 今一気読みしました!!中也さんに頭撫でて貰うシーンが凄くにやけちゃいました。更新頑張ってください!! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 50e2c8124c (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - 良いですね!其れは安心しました!元気なのが一番ですもんね! (2019年5月30日 21時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
たま猫715(プロフ) - 麗華三日月さん» ありがとうございます…!私、結構体は丈夫なんですよ〜。やっぱり健康第一ですかね(笑) (2019年5月30日 9時) (レス) id: 1d5aed1ffe (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - はい!暑いとやる気が出ないですが、たま猫715さんの作品を読むと元気が出ます!無理しすぎないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年5月30日 7時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
たま猫715(プロフ) - 麗華三日月(セイレーン)さん» お久しぶりです!最近暑くなってきましたね!これからも頑張って更新しますね! (2019年5月29日 22時) (レス) id: 1d5aed1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たま猫715 | 作成日時:2019年4月19日 16時