プロローグ2 ページ2
「…だからね、中也くん。最近あの貧民街で追い剥ぎが起きているのだよ。」
「はぁ。」
「犯人は分からないまま、こちらも追い剥ぎに会う、しまい目には
どんな異能かも分からないから、君が適任なのだよ。それに、私はその子と会ってみたい。だからね?と。幼女と戯れながらそう言う俺らのボス。
「…まぁ…そう言う事なら…」
わかりました、と返すと、椅子に座っているその人はにっこりと笑ってなんて事ない様に続ける。
「太宰くんと一緒に」
言葉で表現出来ない程嫌な顔をした五代幹部が、そこに出来上がった。
───────
「ああ、なんで私は中也なんかと一緒に仕事しなくちゃ行けないの?!こんな天気の良い日は絶好の心中日和なのに!」
「うるっせェよ青鯖ぁ!俺かてやりたかねェわ!!手前と仕事なんざ!!でも首領が言うなら仕方ねェだろうが!!」
ぎゃあぎゃあと歩きながら揉める、(色んな意味で)対象的な二人にちらちらと視線が向けられる。
「…っと、ここか。」
「あー、そう見たいだねぇ」
危うく通り過ぎる所だったが、何とか踏みとどまる。
改めて見るとそこには廃れた家、家、家。人が住むのが難しいと思われるくらい、寂れている。
また更に少し歩くと、ボロボロの服を纏った子供。力無く横たわっていた。見ただけで『違う』と感じさせるもの。
「…」
「中也、それはもう死んでるよ。」
太宰は、しゃがみこんでなんとも言えない視線を子供に向ける中也に言う。
「わぁってるよ、ンな事。…でもよ…もし、もう少し生きていたら…此奴等にも違う道があったのかなぁって考えただけだ」
「そんな事ここに来て考え出したらキリが無いよ。…それより、気付いてる?」
見られてるよ。そう言って中也の意識を強引に引き離す。
「あ?ったりめえだろ?俺が気付かねぇ訳ねェ。
…一人、か」
「ンー、そうみたいだねぇ」
と、さっきから感じていた視線が突然消えた。
「おい、なんか気配が離れてってるぜ」
「そうみたいだね」
もしかしたら自分達が追ってる奴かも知れない。中也は弾丸のようなスピードで走り出した。
「…あーあ、行っちゃった。」
…さて、どうしようかな?
相棒が走り去った方向を見ながら、そう呟いた人は緩く口許を上げ、軽い足取りで歩き出した。
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さち - 今一気読みしました!!中也さんに頭撫でて貰うシーンが凄くにやけちゃいました。更新頑張ってください!! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 50e2c8124c (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - 良いですね!其れは安心しました!元気なのが一番ですもんね! (2019年5月30日 21時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
たま猫715(プロフ) - 麗華三日月さん» ありがとうございます…!私、結構体は丈夫なんですよ〜。やっぱり健康第一ですかね(笑) (2019年5月30日 9時) (レス) id: 1d5aed1ffe (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - はい!暑いとやる気が出ないですが、たま猫715さんの作品を読むと元気が出ます!無理しすぎないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年5月30日 7時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
たま猫715(プロフ) - 麗華三日月(セイレーン)さん» お久しぶりです!最近暑くなってきましたね!これからも頑張って更新しますね! (2019年5月29日 22時) (レス) id: 1d5aed1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たま猫715 | 作成日時:2019年4月19日 16時