含羞草 ページ7
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遠くから虫の音が聞こえる。夜の闇
「切嗣さん ちょっといいですか」
「瑩音？」
私は深い息を吸った
＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿
「どうしたの？眠れないの？」
その言葉にふるふると首を振る。そうだ、覚悟も決意もできた
意を決して、きりりと眉を上げる。
「私の名字を変えて欲しいんです」
「…えっ、それはもしかして家族としては嫌ってことかな？」
さっきよりも大きくぶんぶんと首を振る。
切嗣さんのぽかんとした顔に、ちゃんと伝わるように。
「違います！その」
口下手な自分をこの時は恨んだ。
何を話そうとしても口が動かない。
だめだ もっとちゃんとしろ。
何回も練習したし、何回もシミュレーションした。
頰をばちんと二回叩く
「……昨日 多分私の家族の夢を見ました」
「………」
「名前も覚えてません 顔もはっきりしてません
でも私の家族だってはっきりわかったんです」
切嗣さんは驚いたまま黒い目を驚愕に染めこちらを見ている
「だから私には衛宮でいる資格がありません。私には 『私』を捨てるようで怖くて
まだ衛宮を受け入れることができないんです
だからどうか私の名字を返させてはくれませんか………？」
罪を捨てるようで怖い。新しい自分になることができない
「うんいいよ」
ハッと俯いていた頭を挙げた
いつものへらりとした笑顔の切嗣さん
「よく言ってくれたね。きっとそれをするということはとても重いことだとおもう」
ずんっと一気に心が重くなってしまった
「うん 瑩音の好きなようにすればいいよ。この衛宮もいつか覚悟ができたときにつけてもいいし。それに名前なんて重要じゃないよ。そんなもので家族が壊れることはない」
なんて優しい言葉なんだろう、私には勿体無いくらいの優しさ、それにどれだけ救われるのか。私の家族、二人は。
「瑩音が僕たちの家族であることは変わらないよ」
「………はい」
その言葉は私にとってなによりも尊くて大切で欲しかった言葉だった
＿＿＿名を捨てること。これは恐るべき禁忌であり呪いのであったから
？どうしてそう思うのだろう。首をまたかしげる
禁忌？どうして？
「どうしたの？瑩音」
「いえ、」
まだわからないことだらけだけど。私は今ここで生きている。そばに大事な人がいる。それがなによりも嬉しくて幸せだった
だって、今はあの時のように、何もわからない子供ではないもの。
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タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ゆっくりさん» お！！！？？慈悲深き神！？嬉しいです〜〜。勘違いじゃなければ短編集の方でもコメントを頂きましたかね？その一言で２０話は投稿できます〜〜本当に感謝！ (2019年11月21日 19時) (
レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり(プロフ) - 大好きです。 (2019年11月20日 22時) (レス) id: a6728b9117 (このIDを非表示/違反報告)
タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ぐみさん» ありがとうございます！この作品を優先的に最終話まで行かせたい………ヴッ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ぐみ(プロフ) - 我が生涯にいっぺんの悔いなし(血涙)この作品も読ませてもらってます.....頑張ってください.... (2019年7月1日 2時) (レス) id: 46a85766e5 (このIDを非表示/違反報告)
赤眼のわかめ - はい！この作品も最後までついて行きます！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: abeb3a86ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わんころ | 作成日時：2019年6月2日 16時
