芸香 ページ34
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「＿＿＿＿＿瑩音ちゃん！！！」
声を荒げて、大河お姉ちゃんが私を抱きしめる。
靴下のまま、急いで。トワイス先生から隠すように。
「おやおや、怖がらせてしまったかな。」
トワイス先生は肩を竦めた。呆れるように眼鏡をかけ直す。
やけに様になった仕草で、医者というよりも科学者のようだった。
「帰ってください！！！瑩音ちゃんは切嗣さんの娘です！！！」
「先程も言ったがその子は戸籍上は私の子になる。それでも戯言を言い連ねるかい？」
大河お姉ちゃんが顔を歪めた。耳には訳の分からない言葉が通っていく。
戸籍上、って、どういうことなのだろう。私は大河お姉ちゃんに抱きしめれたまま。一人首を傾げた。私は、ここの子では無いのだろうか。いや、そんなはずはない。
だって言ってくれたもの、名字が違っていても、私は切嗣さんの娘だって。
「瑩音ちゃん、おいで」
「………」
優しげな口調でトワイス先生が言ってくれるが、私はしがみついたまま離れない。
混乱したまま、ここにいたいと藻搔いている。
「瑩音、大丈夫か？」
横で慌てたように士郎が手を出した。その手を大河お姉ちゃんが握りしめる。
どくどくと心臓の鼓動が伝わって耳を通っていっても私の心臓は早鐘を打った。
「君が士郎君か。ちょうど良かった、瑩音ちゃんの家財は全て片付けるから、手伝ってくれ。
この家に一度も入ったことがないからな。いやあ、切嗣も生前は招いてくれなかった。あいつは頑固のところがある。」
「切嗣、って爺さんの知り合いなのか？」
おっと、と漏れる声とともに白衣のポケットに手を入れた。虚しく漏れる掠れた士郎の声。
大河お姉ちゃんの腕が強くなり、肺が圧迫されたように痛くなる。
かちりと、なにかが挟まったような音がした。音は脳をじゅくじゅくと犯していく。
「ああ、旧友というものだろうな、だからこそその少女を任されている。
切嗣が死んだ今、引き取るべきは私になる。おいで、瑩音ちゃん。」
「私、は、まだここにい、たいです。」
拒否しなければ、私はここにいられなくなる。
私はまだここにいたい、士郎と、みんなと一緒にいたい。私の家族と＿＿＿＿＿
「じゃあ＿＿＿＿＿」
先生は冷たい木枯らしのような声でいう。眼鏡の奥で氷のような瞳が士郎の腕を射抜いた。
「
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タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ゆっくりさん» お！！！？？慈悲深き神！？嬉しいです〜〜。勘違いじゃなければ短編集の方でもコメントを頂きましたかね？その一言で２０話は投稿できます〜〜本当に感謝！ (2019年11月21日 19時) (
レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり(プロフ) - 大好きです。 (2019年11月20日 22時) (レス) id: a6728b9117 (このIDを非表示/違反報告)
タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ぐみさん» ありがとうございます！この作品を優先的に最終話まで行かせたい………ヴッ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ぐみ(プロフ) - 我が生涯にいっぺんの悔いなし(血涙)この作品も読ませてもらってます.....頑張ってください.... (2019年7月1日 2時) (レス) id: 46a85766e5 (このIDを非表示/違反報告)
赤眼のわかめ - はい！この作品も最後までついて行きます！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: abeb3a86ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わんころ | 作成日時：2019年6月2日 16時
