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加密列 ページ30



「こんなに何に使うの?綾香ちゃん」
「うっちょっとね…」

大きなサルノコシカケを籠に入れ背負いながらザクザクと森を歩く
不思議森ガールと言われている綾香ちゃんの所以はここからなのだろうか

「ありがとうね瑩音ちゃん 私の荷物も持ってもらって」
「いいよ全然軽いから」

フッと息を吐いて前を見つめるが思考はまだ冴えない
昨日は眠れなかったから随分と足取りがおぼつかない
なのに力だけは湧いてくる これは異常だな





「ふふ 瑩音ちゃん 頭に葉っぱ付いてるよ」
「アレ!?本当だ…」



サッと頭を払うと小さな葉が落ちていくのが見えた
流石にぼうっとしすぎじゃないか私


「意外だな瑩音ちゃん 完璧に見えるのに
こういうとこだけはちょっとだけ抜けてる ちょっと安心しちゃったな」

「やめてよ綾香ちゃん私全然普通だよ 強いて言えばここまで人と話すことないから
最近遠坂さんと話すくらいで他の人はあんまり だから知られてないだけ」



私に話しかけてくる人は殆どいない、思い当たる節があるのか綾香ちゃんが苦笑いをした
凛ちゃんとは仲良くなれているのかもわからない。人とのコミュニケーションは難しいものだ。
その言葉に綾香ちゃんは困った笑みを浮かべた




「うーん やっぱ近寄りがたいと言うか なんというか セイレーン…人魚姫みたいな感じ」



にんぎょひめ これはまた随分と大袈裟だ、それは創作物で妖精に畏怖するような感覚なのだろうか
………ちょっとやだな



「人魚姫 か 私あの話ちょっと苦手だな いい話とは思うけど」
「苦手?」

「人魚姫の勝ち逃げみたいなのに
悲しい結末とかみんな言ってるから 最後人魚姫は自分より王子を優先して泡になった
王子が幸せであることを望んだ。それが王子の不本意な『幸せ』でも」


だって結局王子は何にも気付かず生涯を終えたんでしょう?
人魚の存在など知らず 目の前の少女の声が出ない理由を知らずずっと
無知は罪と言わないのか。







「それでも私は好きかな 人魚姫の葛藤の中に
姫は愛し自分のような怪物に近づいてはならないとかあったら
うん もしかしたら人魚姫は自分の正体を知られるのが怖かったとかかもね」





その考えはしなかったな だってそんな忌避するようなことじゃないだろ
王子が怪物に近づいたら汚れるとでもいうのか?怪物は一人寂しく生きろとでも?
そんなの悲しいだけじゃない。意味もない。


私は綾香ちゃんの微笑になんとか笑顔で返した


紫陽花→←阿蘭陀撫子



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タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ゆっくりさん» お!!!??慈悲深き神!?嬉しいです〜〜。勘違いじゃなければ短編集の方でもコメントを頂きましたかね?その一言で20話は投稿できます〜〜本当に感謝! (2019年11月21日 19時) (レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり(プロフ) - 大好きです。 (2019年11月20日 22時) (レス) id: a6728b9117 (このIDを非表示/違反報告)
タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ぐみさん» ありがとうございます!この作品を優先的に最終話まで行かせたい………ヴッ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ぐみ(プロフ) - 我が生涯にいっぺんの悔いなし(血涙)この作品も読ませてもらってます.....頑張ってください.... (2019年7月1日 2時) (レス) id: 46a85766e5 (このIDを非表示/違反報告)
赤眼のわかめ - はい!この作品も最後までついて行きます! (2019年6月30日 15時) (レス) id: abeb3a86ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わんころ | 作成日時:2019年6月2日 16時

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