検索窓
今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:37,313 hit

林檎 ページ15




深夜だった
いつも直ぐに布団に入ってしまう私があまり見ない世界。
あの日から収まった頭痛が幻肢痛のように感じる
喉の渇きに居間へと向かおうとして ふと灯りが付いていることに気づいた


「瑩音?」
「……切嗣さん」



いたのは着物をきた切嗣さんだ 。その姿に思わず眉をしかめる


「切嗣さんは体が弱いんだからこんな深夜まで起きないで 士郎だって怒るよ」
「あはは ごめんね」


笑い事じゃないと言おうとした口を閉じる___なんでこの人は危険なことをするんだ
体がボロボロなのに当然のように外国では飛び立っては傷ついて帰ってくる
この家の改装の時だって即屋根に登って修理をしていた



「切嗣さん 体大事にしてね みんな心配してるんだから」
「……うん」



黒い瞳が細くなる
その顔が黒桐といった男性を思い出してしまってなんとも言えない心地になった
なにかを見つめる瞳に息を詰めて、吐き出す。


「………切嗣さんはどうして外国に行くの?」
「……そうだね………大事な人の為かな」


照れ臭そうに頭をかく


「いや 自分の為かな もしかしたら
もう待ってなんかいないかもしれない。僕が行っても邪魔なだけかもね」

「それでも行くの?」


そうだこの人は

「うん 勿論 約束だからね」

あの時あったあの人と似ているんだ



「……これ以上行ったら死んじゃうかもしれない 意味なんてないかもしれない
なのに行こうとするの? なんで誰かの為に死のうとするの?」



その言葉にキョトンと目が開かれる
そして


「それは勿論 。自分の命よりも大事な人の為だからね」



さも当然のように言ったのだった。似てると思ったけど全然違う
この人は恋じゃなくて愛をしているんだ
誰かに会いに行きたいんだ。




「……じゃあその人の為と私達のためにちゃんと長生きしてね
あと_____少しは私達のこと頼ってね」
「うんわかったよ」


ああそうだとこちらに目を合わせる





「それなら もしその子がきたら_____嫌わないでくれないかな」
「?いいよそれくらい」



その言葉に切嗣さんはひどく安心したように笑った




「ありがとう瑩音」




ひどく昏い夜でここから月は雲に隠れて見えなかった
だから切嗣さんの顔見えなかったのは仕方がないことだったんだ






_____
_____






Zeroってstayとは並行世界らしいですがこちらはそのままあったことにしています
らっきょは 橋落としなしの小説アニメ混合時空です

菊→←金魚草



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
設定タグ:Fate/staynight , 型月
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ゆっくりさん» お!!!??慈悲深き神!?嬉しいです〜〜。勘違いじゃなければ短編集の方でもコメントを頂きましたかね?その一言で20話は投稿できます〜〜本当に感謝! (2019年11月21日 19時) (レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり(プロフ) - 大好きです。 (2019年11月20日 22時) (レス) id: a6728b9117 (このIDを非表示/違反報告)
タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ぐみさん» ありがとうございます!この作品を優先的に最終話まで行かせたい………ヴッ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ぐみ(プロフ) - 我が生涯にいっぺんの悔いなし(血涙)この作品も読ませてもらってます.....頑張ってください.... (2019年7月1日 2時) (レス) id: 46a85766e5 (このIDを非表示/違反報告)
赤眼のわかめ - はい!この作品も最後までついて行きます! (2019年6月30日 15時) (レス) id: abeb3a86ef (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わんころ | 作成日時:2019年6月2日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。