花葱 ページ13
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ミンミンとうるさく蝉が鳴く 。
日光に弱い私の肌はピリピリと痛み脳が溶けるよう。
チラリと横を見る。 歩いているのは黒縁の眼鏡に幼い顔立ちで全身黒い服の男性
「それにしても遠坂さんの家にはなんの用事でしょうか？」
「知り合いの頼みなんだ 確か代々伝わる品についての話かな
それにしても初対面の男が困っていてもあんまり声をかけないほうがいいと思うよ
危ない人だったらいけないからね」
一般論というやつである
私も黒ずくめの男性に声をかけるのもどうかとは思ったが
なんとも奇妙な縁を感じたのであるだから今こうして案内をしているのだった。
縁というのは大切なものだと、本にも書かれている。
「知り合いというのは恋人でしょうか」
ブフッと吹き出す音に図星を確信した
「いや違う！橙子さんとはそんな関係じゃない！」
「吹き出したのにですか？」
奇妙な静寂が訪れる
「好きな人関係なんだ よくわかったね」
「勘がいいんです」
一本取られたとばかりに頭をかくその人
悪戯心が芽生え言葉をかける
「よっぽど好きなんですねその人が 恋は盲目なんて物語の中だけだと思っていましたよ」
しかし先程とは違い、慌てずにいる男性
「うん、僕はその人に殺されかけても好きだから」
「……物騒ですね」
実直な人だ 。
「いいですね私もいつかそんな恋がしてみたいものです」
「あはは……最近の子はこんなに大人びてるのかな？ 綺麗だし君ならできるよ」
人誑しのスキルもあるようだ
なんだが魔眼を持った接続者やら痛覚麻痺の後輩やら実の妹を誑かしてそう
「殺されかけても好き ですか、なら殺されても好きでいますか？」
「うん でも僕はその人に殺しなんてしてほしくないな
人を殺すということはきっと道を外してしまうことだからね
一度人を手にかけた人間は一生その罪を背負っていく＿＿＿＿＿そんなものだよ」
独り言のような言葉 ピタリと体が止まった
「こっちをまっすぐ行けばつきますよ」
「あゝありがとう」
その瞳を見つめる
「それは恋だと言えますか？」
キョトンとした顔が照れ臭そうに変わり微笑を浮かべる
「うん めんどくさいことにこれも恋みたいなんだ」
そうですか
出てきた声は掠れていて蝉の声にかき消された
「そういえば言ってなかったね。僕は黒桐幹也よろしくしたね」
この変わった人はやはり名前も変わっているらしかった。
じゃあね、と振られた手を返し、その背を見つめ続けた。
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タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ゆっくりさん» お！！！？？慈悲深き神！？嬉しいです〜〜。勘違いじゃなければ短編集の方でもコメントを頂きましたかね？その一言で２０話は投稿できます〜〜本当に感謝！ (2019年11月21日 19時) (
レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり(プロフ) - 大好きです。 (2019年11月20日 22時) (レス) id: a6728b9117 (このIDを非表示/違反報告)
タマモキャットガチ勢(白い犬)(プロフ) - ぐみさん» ありがとうございます！この作品を優先的に最終話まで行かせたい………ヴッ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 1561dbe350 (このIDを非表示/違反報告)
ぐみ(プロフ) - 我が生涯にいっぺんの悔いなし(血涙)この作品も読ませてもらってます.....頑張ってください.... (2019年7月1日 2時) (レス) id: 46a85766e5 (このIDを非表示/違反報告)
赤眼のわかめ - はい！この作品も最後までついて行きます！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: abeb3a86ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わんころ | 作成日時：2019年6月2日 16時
