5話 ページ5
「な、何が違うんですか？」
「俺ら同級生やで？敬語やし、苗字君付けやし。おかしない？コネシマでええで」
捏島君もさん付けだし、苗字君付けは別に良くない？とおもったのだが、その考えはすぐに打ち砕かれた。
彼の馬鹿でかい笑い声によって。
「アーーッハッハッハ！それもそうやなぁ！」
どうやら声に出ていたみたいだ。
「でも、敬語は取ろうや」
そんな真剣な目をされても、無理なものは無理だ。
自分が劣情を寄せてきた相手を、いきなりあだ名で呼んだり、タメ口で話したりは出来ない。
そんな…子犬の様な目をされても…。
「あぁもうわかった！宜しくなコネシマ！」
もう良いか。彼、コネシマと結ばれるには諦めるのが良いらしい。
知ってましたよ。
でも、せめて友人でいさせてくれ。
ここまで近づけたのは紛れもなく僥倖だ。
きっと賢い彼のことだから良い大学へ進むのだろう。
私とは比べ物にならないくらいに。
だから、どうにかして彼と繋がりたい。
結局はそこに回帰するのだろう。
焦った私は口走った。
「なぁコネシマ。LIMEやってる？」
言ってから襲うのは後悔だけだった。
私はどこぞのナンパ師か！
しかし、むしろコネシマにはそこが刺さったらしい。
「さすがA！やっぱ相変わらずおもろいなぁ」
ん？
「下の名前…」
「まぁ、同級生やし。」
デジャヴ。
それを思ったのは私だけじゃ無いらしい。
二人して笑っていると、不意に扉が開いた。
「二人とも〜？何してるのかな？」
しんぺい神先生だ。
「ちゃうねんぺ神！」
などと言い訳しているコネシマを横目に、私は反射的に謝って逃げた。
しっかり足は痛かった。
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作者名：あるかろいど有機 | 作成日時：2024年3月9日 17時
