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4話 ページ4
今自分が置かれた状況を理解する。
頭が真っ白になって、オーバーヒートした。
走ったばっかで汗臭く無いかな、とか。
重く無いかな、とか。
怪我の痛みより心臓の痛みの方が圧倒的だよもう。
脳内のアドレナリンがドバドバ出たおかげで、痛みはだいぶマシになったよ。
気持ちの問題だけどね。
ありがとう、捏島君。
心の中でささやかな感謝を彼に捧げた。
保健室まではあっという間だった。
薬品の匂いが充満した保健室独特のソレが、私は些か苦手だった。
大したワケはないんだけれどもね。
ぽすん、と捏島君がベッドに腰掛ける。
私は椅子に座る。
偶々、保健医しんぺい神先生が居なかったから、自分で処置をする。
手慣れたものだ。
一体何回自分含めた人の処置をしてきたと思っているんだ。
三年間の賜物だぞ？
そして捏島君！何をそこまで見つめているんだ。
そんな私に答える様に彼は言った。
「Aサン、手際ええなぁ」
「陸上部だったんで。と言うか苗字、知ってたんですね。」
「マァ同級生やしなぁ。」
それもそっか、と内心納得する。
自惚れてすいませんでした。
「で、自分足引っ掛けられたって気付いとる？」
いや初耳なんですが。
「嫌、全く気づかなかったです…し、嫉妬ですかね？」
捏島君人気ですし、と付け加えると鳩が豆鉄砲喰らったような顔をした。
そうか、いやちゃうな…みたいなことをぶつぶつ呟く彼。
そして一際大きな声で言った。
「ウン、ちゃうな！！」
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作者名：あるかろいど有機 | 作成日時：2024年3月9日 17時
