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煉獄さんと本部を出ると、私を待つ人間がいた
私が固まっている間に煉獄さんはすでにいなくなっていた
とりあえず私はその人に声をかけた
『し、不死川さん…?
どうされたんですか?』
正直気まずい
それは向こうも思っていることだとは思うけれど
"Aさん、それが恋っていいます"
"そしてそれが好きって感情です"
そう教えて貰った日から意識してしまっている
突然恥ずかしくなって声上げたくなるし
接吻されたことを思い出しても死にそうになる
さすがに鬼の前で隙は出せないので任務に集中できるが、終わった途端気が抜けると自滅している
あまりにも翻弄されすぎな気もするけどどうしようもなかった
不死川さんはあの時の話をしに来たのだろうか
それとも今日の柱合会議のこと?
なんでもいいけれど少し緊張してきた
不死川「響波」
『ふぁい』
あまりにも神妙に名前を呼ばれたせいでただでさえ緊張してたのにもっと緊張した
そのせいか返事すらまともにできてない
落ち着け、落ち着け…
不死川「お前は、あの鬼を信じるか?」
『え?は、はい』
なんだ、後者の話か
不死川「最初から善良な鬼だと思っていたか?」
『そうですね、あの男の子は嘘をついていませんでしたし、鬼の女の子に声をかけた時、うー、と返事してくれたんですけど、悪の感情は全くありませんでした』
不死川「そうか…刀を振ろうとして悪かったなァ」
『いえ、鬼は滅殺する対象であって、殺そうとするのは鬼殺隊として当たり前のことですから気にしてないですよ』
私ちゃんと話せてるじゃん
大丈夫、私は落ち着けている
もう、平気、話は終わりそう
不死川「あとなァ、響波」
『…!』
不死川さんの声は緊張、不安、申し訳なさ…色々な感情が混じっていた
今日の柱合会議のことじゃない
絶対に、あの時のことを話される
そう確信すると同時にじわっと体が熱くなった
手汗をかきはじめた
心臓の音はうるさくなった
何を言われる…?
不死川「この間はすまん」
そう言って不死川さんは柄にもなく頭を下げた
『え、あの、顔上げてください』
不死川「俺はお前に悪いことをしたァ、気の済むまで殴ってくれていい
宇髄を呼んでぶっ飛ばしてくれてもいい
許してくれだなんて言わねェ、でも忘れてくれていい」
忘れたくない
許さないなんて思ってない
むしろ
嬉しかったって思えるのは変だろうか
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心裕(プロフ) - 毎回更新楽しみにしています!何ので続けて欲しいです! (2019年11月8日 20時) (レス) id: f4990c4ae0 (このIDを非表示/違反報告)
みかんのかわ(プロフ) - 更新は続けて欲しいです!とても素敵な作品なので楽しみにしてます! (2019年11月8日 18時) (レス) id: bd0b20647b (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - 更新続けて欲しいです!この小説大好きなので!私はあまり被ってるのとか気にしないです。 (2019年11月8日 17時) (レス) id: 50f2a93112 (このIDを非表示/違反報告)
たまきゆら(プロフ) - 冷月さん» わー!!嬉しいです!これからも頑張ります! (2019年11月7日 12時) (レス) id: 210adaaa32 (このIDを非表示/違反報告)
冷月 - わー!!この話すっごく好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月7日 6時) (レス) id: 0628a6c5b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまきゆら | 作成日時:2019年11月5日 0時