【HS J】パパ活男の娘【水×赤】 (ページ15)

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「惚れんじゃねーよ」

「うぉ、ビックリした。脅かすなよ」

「気付かない裕翔が悪い」

振り返ると同業者の知念が居た。
薮くんが出ていって誰も居ないと思っていたから気を抜いていた。
それに気付け無かったのは知念が気配を消してたからだろ。

何故か少し不機嫌そうな知念は俺の横に座りレオちゃんの足元に座る。

「顔を見ると男か迷うけど、やっぱ骨格は騙せないね」

そう言って少しスカートをペラっと捲り膝を眺める知念。
男だって分かっちゃいるけど、なんかその…見た目がまずい。

「知念も男って知ってんじゃん」

惚れるも何も、ないけど。

女は嫌いだ。でも別に女が嫌いだから男が好きって訳じゃない。
ただ騒いだり惚れられたり、そういうのが面倒臭いだけで普通に1人の女を好きだった時期もあるし。

「裕翔は他人の内心を読み取るのが上手い代わりに自分の心に鈍感なんだよね」

そう言って立ち上がり、俺の胸に人差し指を突き立てる。
イマイチ知念の言ってることが理解出来ず、首を傾げる。

「まぁ、辛いのは裕翔だから僕は知ったことじゃないけど」

「何が不満なの？ていうか何しに来た。」

掴めない知念の意図にイライラし始めると、1枚の地図を渡される。
要件あるなら先に言えと思ったが声には出さなかった。

「明日ここに連れてこいってさ」

示されたのは少し都市部からは離れた場所だった。
別荘地でペットがてら飼うのかな。
悪い噂の立つ土地でも無い。

「じゃ、僕はこれで」

「あぁ、ありがとう」

地図から目を離すと、もうすでに知念の姿は風のように消えていた。