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水色side
お姫様抱っこでレオちゃんを運ぶ。
とりあえず裏方にあるソファに寝かせた。
「やっとまともな彼女連れてきたかと思ったのに、“今回も”か。」
店を閉めた薮くんが着替えながら俺に言う。
「仮にまともな彼女作ってもここには連れてこないよ」
ふははと笑ってそれが正解、なんて目を細める。
薮くんに頼んだ睡眠薬
味も変わらないし色も無い。それなのに即効で長時間効くからありがたい。
「光くんは?」
「大ちゃん送ってった。しばらく帰ってこないからゆっくりしてていいよ。」
おもむろにタバコを取り出した薮くんが横になったレオちゃんをまじまじと眺める。
「しかしこの距離で見ても男なんて分かんねぇ。可愛いわ」
「引き渡す前に味見しとく?」
「いやさすがに男はいいや。付いてるやつにやる気出すまで飢えて無いんで」
そう言い残し外に出ていった。
可愛い可愛い言ってんのに男ってだけで見向きもしないのに少し安心した。
穏やかに眠る顔を撫でる。
その綺麗な顔の裏にどれだけの苦労を背負ってきたんだろう。
そしてこれからどれだけの苦痛を味わうのだろう。
探偵なんて肩書きで、殺しも誘拐も受け付けるなんでも屋。
今回は謎に大金叩いてきたおっさんから生きたまま誘拐の依頼だったけど、きっとレオちゃんの客なんだろう。人身売買には出されなさそうだし、せめて良い生活出来れば良いな。
なんて柄にも無いことを願った。
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作者名:たく | 作者ホームページ:https://twitter.com/HSJW_Taku?s=09
作成日時:2021年12月3日 20時