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駐車場の前、自販機でコーヒーを買って座り込む。
「こんなんで当日乗り切れんのかよ…」
幸せの真っ只中な空気に、俺の感情は居合わせたらあかん。
でもこんなことで仕事を放棄するわけにもいかん。
こうなることは知ってて受けたはずや。
「藤井さん…?」
「あ…、神山さん」
「こんなとこ居って大丈夫なんです?」
花を包装していたダンボールを抱えた神山さん。
あ、ヤバい泣きそう。
「戻らないとですね、」
顔を拭うように1度下を向いた。でも涙が溢れそうで、顔を上げられない。
言葉と言動が一致してない。
すると、何も言わずに神山さんが隣に座り込んだ。ダンボールを横に置いて、なにかスマホをイジってる。
「ここのパンケーキ、平日の2時までしかやってないんですよ」
「…え、」
「行きましょ」
そう言うとダンボールを左腕に抱えて、右手で俺の腕を引く。
「え、ちょ、あの」
「俺のサボりに付き合ってください」
『Flower Rainbow』とプリントされた車。
ダンボールを後部座席に乗せて、俺も助手席に押し込まれる。
「藤井さん、下の名前なんでしたっけ?」
「え、あ、流星…です」
「よし、じゃあ流星!俺の事は神ちゃんでええからな。今から敬語も禁止や」
そう言って花屋のエプロンを外して運転席に乗り込んだ。
「待ってろ俺のプレミアパンケーキっ!」
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作者名:たく | 作者ホームページ:https://twitter.com/HSJW_Taku?s=09
作成日時:2021年10月11日 18時