出所してから愛が重い…！！【灰谷兄弟】

10＿学校 ページ11

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深夜


持ってきたよという言葉をすぐに察し、声の方へ向かう


声で分かったが竜胆は言っていた通りに持っていた可愛い制服を私に渡した


やっぱりこの制服可愛い



『って、私の学校の制服じゃないんだけど。何これ』

「オレらの学校の制服。Aのために特注したヤツ」



特注？たかが高校しかも最後の一年なのにこんなことに金使うなんて


金の使い方荒くない？


まぁ、使いすぎても余るぐらいなんだろうけど、本当に収入源はどこからきているのかわからない


可愛いけどねでも、1番驚いたところはそこじゃない



「オレらの学校ここから近いし、Aと極力一緒にいるから」

『一緒？前の学校は？』

「それなら編入手続きしてきた。」



いつの間にかこっちにきた蘭が私の肩に顎を乗せて、腰を抱きしめる


編入って…


せっかく仲良くなった子に会えないまま離れるのは流石に


前の学校だってここからそう遠くないし別に前の学校のままでもよくない？


口には出していないが考えていたことがばれたのか蘭は耳元で少し低い声を出した



「Aの顔が知れてるところにこのまま置いておくわけないじゃん？オレらの高校だったらオレらがいればAに手ェ出すヤツいねぇから。心配だけどな」

「まぁまぁ綺麗だし、広いし前の高校よりはいいだろ」



学校に行ってもいいと言われた時は嬉しかったが普通ここまでする？


どうしても譲らなそうだし、でも反発したら怒りそうだし、仕方なく頷くと良い子と蘭が頭を撫でてきた


蘭に嫉妬するのはいいが2人でサンドイッチするのは真ん中の私が物理的に挟まるので苦しいからやめてほしい


前から抱きしめてきた竜胆と後ろから抱きしめている蘭


出所前の方が丁度いい距離で好きだったのに今や何か吹っ切れたように私に物理的にも精神的にも距離を詰めてくる2人


この距離感もいつかは慣れるぐらい沢山スキンシップされそうな未来を予想すると悲しいのかどんな気持ちなのかよくわからないが乾いた笑いが漏れた


恋愛感情、あれからよく考えてみたが考えれば考えるほどなぜ私に好意を持ったのかわからずじまい


本人に聞いてもはぐらかされるし


私が知らないうちに何か2人にした可能性が1番濃厚なのだが肝心のその何かがわからず手詰まり


まだ2人からの距離感は慣れない


だから腰あたりに2人揃って手を添えるのはやめて


せめて背中にして






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