出所してから愛が重い…！！【灰谷兄弟】

28_どうせ ページ30

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『そう言うことなのは分かったからそろそろ離して』

「やだよ。オマエすぐ逃げんじゃん」


壁際に追い詰められ身動き取れないまま私は竜胆の肩を押す


でも目一杯押しても全然動かなくて心配になってくる


私の力が弱すぎるのか、それとも竜胆の体幹がすごいのか


いや、明らか竜胆のせいだよね


私の力は人並みだし



『もうすぐ授業始まるし、教室戻ろう？』

「…別に授業受けなくてもAといれるならこのままでいいんだけど」



なんだそれ？……なんだそれ


言葉の意味をきちんと理解するまで時間かかったし、何より予想してなかったから本当にびっくりした


竜胆可愛いね、そうやって素直に気持ち言えるとか


私に冷たかった時は素直に好きな食べ物も言えなかったし、嫌いな食べ物を私に渡すときも何かと理由つけて嫌いって素直に言わなかったもん


今思えばめちゃ可愛いじゃん



『お願い竜胆、ここも誰がくるかわからないんだし』



あんま人が来ない場所とは言え一応廊下の真ん中ではあるのでもし誰か来たら変な誤解など絶対でるからそれを阻止したくて竜胆にそう言うが何も聞いていない様子


あれ、私いま1人だっけ、1人で喋ってたっけ



「見せつければいいだろ、オレらのだから流石に誰もオマエのこと取ろうとしねぇだろ」

『そう言う問題じゃないの、本当に離れて！恥ずかしいからっ！』




人って焦ると思ってること口に出してしまうの本当に改善されないかな


やばいと思った時には竜胆の顔は意地悪そうに笑みを深めた


距離が近くて顔が真っ赤になりながらやらかしたという気持ちで顔が真っ青になる器用な顔をする私を見てクスッと笑いながら口付けられた



「…まじでなんなのオマエ、オレらのこと煽りすぎ」



少し離れた際にそうこぼして、なんのことかと考える前に私の口がまた塞がれた


急だったから閉じきれなかった口の中に竜胆の舌が侵入してきて、そのまま深い口付けに変わる


甘くとろけるような感じは蘭と同じだけど少し優しめな竜胆のキスは私の体の力をすぐ抜けさせた



『りん…どう、』

「ははっ、とろけてんな」



やっと離れた際に、一言がつんと言ってやろうかと思ったけど出てきた言葉、声は私の声だと信じたくない耳を塞ぎたくなるような甘い声


力の入らなくなった体を支えるように私の腰に添えられた手は力強くてなんだか心がキュッとなった



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