拾われた先はキンプリハウス

『聞いてもいい？』 ページ22

S:玄樹



「海人くん、ちょっとお話ししてもいい？」



海人「……(ふるふる)」



「難しい？」



海人「お花見いきたい…」



紫耀「うん、少しお話ししたらお花見行こうね」



海人「(ふるふる)お花見やくそくだもん」



「だね。お話終わってから、約束のお花見いこうね」



海人「ちがうー！
お花見の方が先に約束してた。」



このまま話してくれないかもな。



紫耀「海人くん、
嫌なことは無理矢理聞いたりしないから。ね？」



海人「お花見やくそくしたの！お花見お花見っ！怒」



「わかった、お花見行こうね。
その代わり、お花見したら、ちゃんと僕とお話できる？」



海人「………むぅっ…」



「むぅじゃないよ。笑
お話しできる人〜」



「お話しできる人」って、
僕が手を挙げたら、海人くんもちょっと
不貞腐れながら『はーい』って手を上げた。笑



「よし、約束。」



今日は目一杯楽しんでもらいたい。



だって、もし海人に病気があったら
こうやって来れる回数も減っちゃう可能性もある。



でも、病気があるって決まったわけじゃないけどね。



紫耀が前々から心臓の音が気になるって言ってたから。




…
…
…



海人「げんにぃー、だっこ！」



「だっこ？はい、よいっしょ。」



軽すぎるんだよな。もう少し食べさせたいな。



海人「にぃ、さくらのにおい」



「ふふ。笑
いい香りだねー」



海人「さくらすごくきれいだね♪」



すごく機嫌のいい海人くん。笑



…
…
…


「海人くん、お話聞かせてね。」



海人「……いぃ…」



お花見を終えて、お家着いたから、
話を聞こうと思ったんだけど。



海人「…げんにぃ、このじゅーすのんでもい？」



「ジュースの前に、お話聞いてもいい？」



海人「これ、飲みたいの。これ僕好きだから。」



「うん、好きなんだよね。じゃあ、
飲みながらでいいからお話聞かせて？」



結局、ジュース飲んでも、
話してくれる様子はなくて…



あんまり、聞いてほしくないのかな。



思い出したくないよね、そりゃ。

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