拾われた先はキンプリハウス

『2人』 ページ2

S:廉


「かい？大丈夫？」


海人「ん。」



僕たちのパパはもう居ない。



でも、ママはちゃんといる。



だけど、僕たちに暴力を振るうの。



お酒を飲むといつもターゲットが決まる。



今日は海人だった。



「やめて！お願い！僕に何してもいいから。」



母「お前には関係ない。出てけ」



部屋から僕を摘み上げて、
廊下に出された。



海人「っ！！ゲホ…」



暴力が始まった。



「やめてよ！お願い！！」



鍵をかけられて、へやに入れない。




「海人！！…どうしよう…」



いつも、結局何もできなくておわる。



ガラッ…


ママはお酒を持って、
部屋から出てきて、そのままふらっと
家から出た。


「かい？大丈夫？」



海人「ん。」



「ここは？変な感じない？」



海人「ん。」



「手当しようか。」



海人「(ふるふる)」



「いやだ？」



海人「…(こくん)」



「…そっか。痛いところ、冷やす？」




海人「…(ふるふる)」



僕は海人を守らないといけない。



それが兄としての役目だから。



ピーンポーン…




「っ！」



この家に訪れてくる人なんて居ない。



なのに、…誰？



ガチャ…



え？勝手に入ってきた。



「海人、奥行って。誰か来た」



ママならピンポンなんかしないはず。



海人「っ！(ガクガク)」



「だいじょうぶ。ね？」



僕は海人の前に立った。



男性「君たち、大丈夫？」



「っ！誰だ！！」



男性「俺は、警察官だ。安心しろ。」



「…？」



男性「警察官知らない？
警察官は困ってる人を助ける
ヒーローみたいなもんだ。」



「…」



男性「助けに来たんだ。
救急車2台呼んで。」



男性2「はい。」



男性「後ろの子は弟くん？」



「………海人はだめ。僕が守るから」



男性「そっか。君は強いんだね。」



「…僕たちをどうするつもりなの。」



男性「守りたいんだ。
君たちの母は、君たちに虐待をしていたでしょ？」



「…ぎゃくたい？」



男性「んーっと、暴力。叩いたり、蹴ったり。」



「……」



男性「もう、大丈夫だ。助けるから。」



男性2「救急車到着しました。」



男性「わかった。
2人ともこっちおいで。病院で手当しよう。」



「……………触んないで。」

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